日本育種学会第122回講演会(平成24年9月14日~15日に京都産業大学にて開催)において、JIRCASと(独)農業・食品産業技術総合研究機構(以下農研機構)が共同で実施しているエリアンサス新品種候補の開発に関する講演が重要講演に選定され9月10日(月)に日本育種学会より記者発表されました。
日本育種学会
二酸化炭素排出量の削減や地産地消でのエネルギー生産による地域活性化に向けて、バイオマスエネルギーの利用が注目されています。バイオマスエネルギー生産では原料を低コストで安定的に確保することが重要となります。JIRCASと農研機構は、農林水産省委託プロジェクト研究「農山漁村におけるバイオ燃料等生産基地創造のための技術開発」および「地域活性化のためのバイオマス利用技術の開発」の支援のもと、バイオマス生産が旺盛な多年生イネ科植物のエリアンサスに着目し、世界的にも初めてとなるバイオマス原料生産を目的としたエリアンサス品種候補系統を開発しました。本品種候補は、茎が直立するため機械収穫がしやすく、南西諸島から北関東地域までの広い地域で越冬栽培が可能です。石垣島や熊本では30t/ha程度の乾物収量が期待できます。本品種候補は、バイオマスエネルギー事業(ペレットやバイオエタノール生産等)に必要な原料を安定的に確保する場面での活用が期待されています。