国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS

研究成果情報

国際農林水産業研究センターにおける研究成果のうち、成果が特に顕著で、広く利用を図ることが望ましいと考えられる成果を要約してご紹介しています。

各年度の国際農林水産業研究成果情報

  • ラオスにおける在来テナガエビMacrobrachium yuiの遺伝的多様性 (2012)

    テナガエビの遺伝的集団構造解析を行ったところ、本種は集団間で遺伝的に分化しており、河川間で遺伝的交流は見られない。ラオス北東部に生息する集団は集団サイズ及び遺伝的多様度ともに低下しており、各地域集団の遺伝的特性に適した資源回復手法が必要とされる。

  • マレーシア半島セランゴール沿岸における麻痺性貝毒原因プランクトンの発見 (2012)

    麻痺性貝毒はヒトに重篤な食中毒被害をおよぼし、その予察防除は食品安全上の重要な課題である。貝を毒化させるプランクトンを調査したところ、ハイガイ養殖の中心漁場で、その原因プランクトン2種の遊泳細胞および1種の休眠胞子の分布が初めて明らかになる。今後、ハイガイ養殖の安定化に向けて、同漁場での貝毒モニタリング体制の確立が必要である。

  • 限られた水資源を利活用した乾期野菜栽培促進のためのマニュアル (2011)

    ニジェール国において限られた水資源を利活用し乾期の野菜栽培を促進する手法を、実証調査の結果に基づき、組織化、家畜の食害対策、栽培技術の改善の分野から、農業省調査計画局と協力し、取りまとめたマニュアルである。

  • 気候変動下の蒸発散量の変化がメコン川下流域のコメ市場に与える影響と生産余力 (2011)

    メコン川下流域を対象とする気候変動の影響の分析が可能なコメの需給モデルを用いて、気候変動が、メコンデルタ地域のコメ生産量を減少させることを示し、また、灌漑開発計画とモデルで推定された作付面積の比較により、メコン川下流域4カ国各県各地域の生産余力を示した。

  • 出穂性の異なるIR64の準同質遺伝子系統群 (2011)

    イネ(Oryza sativa L.)品種IR64の遺伝的背景をもち到穂日数が異なる5つの準同質遺伝子系統は、IR64の栽培適応範囲の拡大や育種素材として活用できる。

  • アフリカ内陸低湿地における水田整備及び栽培技術のマニュアル (2011)

    食料不足が深刻なアフリカで、圃場湛水のための畦畔を備え、均平•代掻•苗移植等の作業で特徴付けられる「アジア型水田稲作」の有効性を実証し、計画から維持管理、施設の補修までの一連の整備技術及び栽培手法を分かりやすいマニュアルにまとめた。

  • サブサハラアフリカの水田土壌肥沃度向上に資する在来有機物資源 (2011)

    サブサハラアフリカの稲作において、在来有機物資源を活用した土壌肥沃度改良技術を提案するため、ガーナ国を対象としてまずこれらの賦存量を明らかにする。ガーナにおける農業活動由来の在来有機資源の賦存量は、植物性・動物性合わせて窒素、リン酸、カリの肥料換算でそれぞれ年間数万トンあると見積もられた。これらの有機物資源のガーナ国内分布は、種類により顕著な地域特性を示した。

  • 冠水中のイネの光合成活性を簡易に測定できる手法 (2011)

    水中でのイネの葉の光合成活性状況をクロロフィル蛍光から把握する技術を開発し、冠水耐性を示すイネの選抜の簡便化を可能にする。

  • イネ・ダイズ等の低温及び乾燥環境下における主要転写経路の同定 (2011)

    マイクロアレイを用いてイネ、ダイズ、シロイヌナズナの低温及び乾燥誘導性遺伝子を同定した。さらに網羅的にプロモーター解析を行い低温及び乾燥誘導性プロモーターに保存されているシス因子を同定して、主要転写経路を明らかにした。

  • AZF1とAZF2タンパク質は乾燥や塩ストレス下の植物の生長を制御している (2011)

    シロイヌナズナの環境ストレス誘導性ジンクフィンガー型転写因子をコードするAZF1およびAZF2遺伝子を過剰発現させた植物体は矮化する。これらの転写因子は乾燥や塩ストレス下における植物の生長制御において重要な役割を担うと考えられる。

  • ダイズさび病抵抗性遺伝子の集積系統 (2011)

    3つのダイズさび病抵抗性遺伝子を集積した系統は病原性の強いブラジル産のダイズさび病菌に対して高度の抵抗性を示す。この抵抗性系統と各遺伝子に隣接するDNAマーカーを利用して、戻し交配により既存の品種に抵抗性遺伝子を導入することができる。

  • 熱帯の天水田向きいもち病抵抗性に関するインド型マルチライン稲品種 (2011)

    イネ品種IR49830-7-1-2-2の遺伝的背景を持つ8種のいもち病抵抗性遺伝子を対象として育成した準同質遺伝子系統群は、熱帯地域に適応したインド型マルチライン(多系)品種として利用できる。

  • ラオスにおけるテナガエビの生活史特性に基づいた資源管理手法 (2011)

    ルアンプラバン県におけるテナガエビMacrobrachium yuiの生活史に関する野外調査の結果、雌は洞窟河川へ遡上し、その内部で主に7月から8月にかけて繁殖するとみられる。その生態的特性に基づき現地住民及び行政とともにテナガエビ漁の禁漁期を設定し資源管理を実施する。

  • 乳酸発酵を用いた伝統的ビーフン製造技術の特徴 (2011)

    中国の発酵型ビーフン製造工程には乳酸菌および酵母が関与している。原料インディカ米の発酵によって生成する乳酸は有害微生物の成育を抑制する。発酵過程で蓄積される乳酸や粘弾特性に負の影響を与える蛋白質・脂質の分解によってビーフンの品質が改善する。

  • 酵素投入コスト削減のためのセルロース分解酵素リサイクル利用法 (2011)

    好熱嫌気性細菌が生産するセルロソームをリサイクルする方法及びその装置を開発した。この技術はセルロースから糖質を作るための糖化酵素を2回以上リサイクルする。従って、セルロース分解にかかる酵素コストを半分以下にできる。

  • オイルパーム搾汁液を使った生分解プラスチックの生産 (2011)

    樹齢25年以上のオイルパーム廃棄木搾汁液中の糖を原料にBacillus megaterium MC1株を用いて代表的なバイオプラスチックであるポリヒドロキシ酪酸(PHB)を効率よく生産できることを示した。

  • 健全種子を生産し更新を確保するための熱帯有用樹種セラヤの繁殖特性 (2011)

    マレーシアの丘陵フタバガキ林の優占種で主要な林業樹種であるセラヤについて、一斉開花時に遺伝子解析によって種子の父親を決定した。繁殖モデルを開発して同樹種の花粉散布距離の短さおよび小径木の花粉生産性の低さを明らかにした。これらをもとに健全な交配により生存力の高い種子を確保し更新を維持するための択伐技術を提案した。

  • 広大なマングローブ域は回遊する有用魚類幼魚の餌場として重要な役割を果たしている (2011)

    フエダイ類の幼魚はマングローブ沿岸域に加入し,成長とともにマングローブ域で生産される餌料への依存を強める。一方、コニベ類幼魚ではマングローブ奥部から沿岸域に移動する。大規模なマングローブ域における餌料の供給と複雑な水路の広がりが水産有用魚類の再生産にとって非常に重要である。

  • ハネジナマコの飼育管理のためのサイズ測定と栄養状態評価手法 (2011)

    メントール麻酔剤により体型が不定なハネジナマコの体長と体重の測定精度が向上できる。栄養状態により体長と体重が変化するナマコ類は、従来の肥満度による栄養状態の評価ができないが、体腔液の比重と総炭水化物含量を指標として評価できる可能性を示した。

  • 熱帯汽水域の最重要養殖魚チャイロマルハタ幼魚の資源評価および漁獲管理 (2011)

    熱帯において最重要養殖魚のチャイロマルハタは、汽水域に生息する幼魚を種苗として漁獲している。漁獲実態および生物学的解析により同魚の現状は乱獲傾向にあること、漁獲努力量を減らすことで資源管理効果を飛躍的に高めることが明らかとなった。