研究成果情報

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国際農林水産業研究センターにおける研究成果のうち、成果が特に顕著で、広く利用を図ることが望ましいと考えられる成果を要約してご紹介しています。
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  • 2019 国内保有マンゴー遺伝資源の多様性および品種特性

    国際農研および沖縄県農業研究センターで保存されているマンゴー遺伝資源120点は、SSRマーカーによる系統および遺伝的多様性の解析により、重複を除いた83の異なる遺伝子型に区別され、育成地を反映する3つのグループに分かれる。世界各国に由来するこれらの遺伝情報および品種特性情報は、品種利用の促進や多様性比較の基盤として活用できる。

  • 2019 主要普及成果 SSRマーカーを利⽤したホワイトギニアヤム品種識別技術パッケージ

    西アフリカの育種プログラムや種苗会社が利用するホワイトギニアヤムの品種および遺伝資源・育種系統について、品種・系統間の識別を簡易かつ迅速に行うことができる技術をパッケージ化するとともに、技術の利用支援のためのツールキットを提供する。

  • 2019 主要普及成果 タイ発酵型⽶麺の液状化は、麺をpH 4程度の酸性に保つことで抑制できる

    タイ発酵型米麺の液状化は細菌による澱粉分解に起因し、麺のpHが6以上になると誘発されるが、pH 4程度に保つことで抑制される。液状化の抑制には、製麺後の発酵型米麺および原料である発酵米粉がpH 4程度の酸性であることの確認や、製麺工程で麺の洗浄に用いる水を酢酸等の食用可能な有機酸によりpH 4程度に調整することが推奨される。

  • 2019 ⼀穂籾数を増加させるSPIKE は低収量環境でイネの籾収量を向上させる

    イネの一穂籾数を増加させる量的遺伝子座SPIKEは、インド型品種IR64背景では収量水準が5 t ha-1を超えると穂数を減少させ増収効果が低下するが、収量水準が5 t ha-1以下では穂数を減少させず増収に寄与するため、途上国の多くの低肥沃度環境や少量施肥栽培でその効果を発揮する。

  • 2018 東南アジアにおける肉牛からの消化管発酵由来メタン排出量の推定

    東南アジアにおける肉牛からの消化管発酵由来メタンの排出量と変換係数は、飼料摂取量、飼料の化学成分と飼料消化率から推定できる。メタン排出量の推定に利用されているメタン変換係数の東南アジア肉牛での値は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による既定値よりも高い。

  • 2018 アジアモンスーン地域の天水稲作における最適播種期予測による収量改善

    全球スケールの季節予報を統計的にダウンスケーリングした気象予測値をモンスーンアジアの100 km2程度の天水稲作地域に適用できることを明らかにした。これにより、作物生育モデルを使った最適播種期の予測が可能となり、農家の収量を改善できる。

  • 2018 スーダンサバンナでは地中レーダーで鉄石固結層の出現深度を測定できる

    地中レーダーで鉄石固結層の出現深度を精度良く測定できることを世界で初めて明らかにした。スーダンサバンナでは鉄石固結層の出現深度で土壌型や土地生産力を推定できるため、今後地中レーダーで簡単・迅速に土壌型および土地生産力の評価が可能になる。

  • 2018 スーダンサバンナでは間作を除いた保全農業で十分土壌侵食を抑制できる

    スーダンサバンナでは最小耕起と作物残渣マルチの2要素からなる保全農業で土壌侵食を抑制でき、「マメ科作物との間作」という要素を加えても更なる土壌侵食抑制効果は得られない。

  • 2018 環礁島の地下淡水レンズの汚染源対策は地下水の滞留時間にも配慮すべきである

    マーシャル諸島共和国では、発生源から環境中に排出される窒素負荷量は豚舎において最大である。大規模な豚舎に加え、地下水の滞留時間が長い島の外洋側や南側から汚染源対策を導入することが効果的である。

  • 2018 支柱栽培したヤムイモ地上部バイオマスの非破壊推定

    支柱栽培したヤムイモの地上部バイオマスを非破壊的に推定する簡便・安価な手法を開発した。これにより、ヤムイモの生育調査を大幅に省力化することができるだけでなく、農家圃場における生育診断指標として利用できる。

  • 2018 アフリカ小農支援のための農業経営計画モデル

    アフリカ小農の技術普及や生計向上を目的として、小農の技術水準、生計戦略などを反映した農業経営計画モデルを構築し、所得を最大化する作付体系や技術導入規模を特定する。

  • 2018 ゲノムワイド関連解析によるイネの側根形成に関与する遺伝子座の特定

    ゲノムワイド関連解析により検出された遺伝子座qTIPS-11はイネ生育初期の側根形成に関与する。推定される原因遺伝子はグリコシル加水分解酵素遺伝子である。この機能型対立遺伝子は、より多くの側根を持つ直播適性に優れたインド型イネ品種の開発に利用できる。

  • 2018 ダイズ重要形質の遺伝解析のための野生ダイズの染色体断片置換系統群

    栽培ダイズ品種の遺伝的背景を持ち、染色体の一部のみが野生ダイズに置換された>染色体断片置換系統群を開発し、それらの系統を用いて種子重や開花期QTLのゲノム上の座乗領域を明らかにできる。開発した野生ダイズの染色体断片置換系統は重要形質の遺伝解析に利用できる。

  • 2018 人工気象器を用いたダイズの省スペース・低コスト高速世代促進技術

    閉鎖環境栽培で昼間に不足しがちなCO2を補充できる人工気象器を用い、未熟種子を利用して、適切な光・温度条件のもとでダイズを栽培することにより、年間5世代の交配を伴う世代促進が可能である。

  • 2018 サトウキビの新しい育種素材となるサトウキビとエリアンサスの属間雑種の作出

    サトウキビ普及品種とその近縁遺伝資源エリアンサスを交配して作出した属間雑種は、エリアンサスの染色体数が系統毎に異なり、農業特性に多様な変異がある。サトウキビ育種での遺伝的基盤拡大や新規特性の導入に向けた新しい育種素材として利用できる。

  • 2018 アフリカにおけるサバクトビバッタの時空間的分布パターン

    アフリカで大発生するサバクトビバッタの幼虫および成虫は、夜間は大型の植物上に群がり不活発になる。成虫は温度依存的に逃避行動を変化させ、低温時には不活発になり逃避能力が低下する。この行動特性を応用することで殺虫剤の使用量を軽減できる可能性がある。

  • 2018 穂ばらみ期の地上分光計測データから収穫前にコメの収量が予測できる

    穂ばらみ期の水稲群落上で分光計測を行うことで、収穫1カ月前に収量を予測することが可能である。さらに早い生育ステージ(幼穂形成期)でも低い精度で収量を予測できるが、開花後の成熟期に入ると予測は困難になる。収量の推定には、分光データのうち窒素とバイオマスに関連したレッドエッジ(700–760 nm)と近赤外(810–820 nm)の波長が重要である。

  • 2018 新規アルカリ好熱嫌気性菌Herbivorax saccincola A7はバイオマス分解能に優れる

    リグノセルロース系バイオマスを原料とする堆肥から分離した新種の好熱嫌気性細菌H. saccincola A7はアルカリ環境を好み、セルロースとヘミセルロースを分解できる。本菌は、近縁菌には無いキシロースやキシロオリゴ糖の代謝酵素を持つことから、リグノセルロース系バイオマスの効率分解に適している。

  • 2018 キノボリウオの水田養魚は種苗の低密度放流により無給餌でも成立する

    ラオス山村域では、農民の動物タンパク質摂取不足を改善するために養魚振興が求められている。山村域の小規模農家が実施可能な水田養魚において、在来種であるキノボリウオを用いた場合、養魚種苗の低密度放流により無給餌でも高水準の生産性が見込まれ、さらに給餌することで生産性は向上する。

  • 2018 養魚ため池の貯留水を雨季水稲と乾季畑作に利用することで収益増が期待される

    ラオス中部の中山間農村では、養魚用ため池の貯留水の活用により、雨季初期に水が不足する圃場の初期灌漑と乾季には畑作を行うための補給灌漑が可能になる。養魚に必要な最低水量を維持することで、ため池を養魚と灌漑に併用できる。また4月上旬に貯留水を抜く慣行法よりも、乾季畑作の灌漑に合わせて2月に水を抜く方が利益の増加が見込まれる。