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219. アフリカ農業開発とe-エクステンション・プラットフォーム 構築へ向けた取り組み

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アフリカの多くの国では、農業普及員が農家に技術指導を行いますが、政府の予算不足等が原因で農業普及システムの確立までは至っていなかったり、あるいは農業普及員の技術や知識不足といった課題があります。さらには、COVID-19パンデミック下での公共交通機関の利用制限や移動規制により、農業普及員の指導機会がさらに制約されただけでなく、農家は農業に欠かせない種子や化学肥料など投入材の入手や、販売市場へのアクセス等において、一時的に様々な困難に直面したと伝えられました。 

近年、アフリカにおいて農民に対する気象・技術・市場情報を提供手段としてのデジタル技術への期待が高まっていますが、コロナ危機はデジタル・シフトへの試行を一気に加速する契機となりそうです。

 
一般社団法人アフリカ協会が発行する機関誌『AFRICA』の2020年冬号において、一般財団法人ササカワ・アフリカ財団(以下SAA)寄稿『アフリカ初の小規模農家向けの「e-エクステンション・プラットフォーム」構築の取り組み」』論考が発表されました。 記事では、コロナ渦におけるSAAの取組み、および今後の展望が紹介されています。


SAAは30年以上にわたる現地での普及システム確立の経験を活かし、アフリカ初の「e-エクステンション・プラットフォーム」構想を掲げ、アフリカのフードシステムのレジリエンス(強靭性)強化に取り組んでいます。コロナ危機に際しては、人と人の接触を減らし社会的距離を確保するための、ICTを活用した「技術移転」と「省人化農業」、ロックダウンの影響による物流の停滞への対応としての「投入材へのアクセス」の3点を支援の重点分野としました。さらに「ポストCOVID-19」を見据え、農業生産性向上だけでなく、バリューチェーン全体の中での農業普及において起こりうる「情報の非対称性」について、ICT 技術を積極的に活用することで解消していくことが、SAA が考えるe- エクステンション・プラットフォームの理想形です。


(本記事は、ササカワ・アフリカ財団を通じて、アフリカ協会にも記事の紹介許可をいただいております。)

 

参考文献
一般社団法人アフリカ協会機関誌「AFRICA」2020年冬号掲載https://www.saa-safe.org/news/news.php?nt=1&vid=210&lng=jpn 

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)