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農業農村技術協力センター(CTA)「アフリカ農業デジタライゼーション〈デジタル革命〉報告書2018-2019年版 [Technical Centre for Agricultural and Rural Cooperation(CTA): The Digitalisation of African Agriculture Report, 2018-2019.」概要

2019-09-18

アフリカ、とりわけサブ・サハラアフリカは、気候変動がもたらす干ばつ・洪水・病害虫等による甚大な被害に対応しつつ、食料・栄養安全保障を達成するために、現状の生産性水準を2倍(むしろ3倍)に引き上げる必要にかられている。

アフリカ諸国にとり、農場・農家・アグリフードセクター全体にかかわる様々な要因に影響を及ぼす農業デジタル革命 (digitalisation for agriculture – D4Ag)は、農業部門の構造変革を加速させるゲームチェンジャーとなりうる。膨大なデータと新しいデジタル農業ソリューションを支えるシステムは、データの質の改善を伴いながら、指数関数的に拡大している。個別農家・圃場の精密なデータをマクロレベルのデータセットと組み合わせ、これらを費用効果的に処理することが初めて可能になりつつある。

デジタル・ソリューションと農業データの持つ潜在性は、以下に挙げられる。まず農民は、個々の事情にテイラーメードされた情報・洞察にアクセスすることで、生産の最適化・適切なプロダクトやサービス獲得・新規市場の獲得、が可能になる。企業はターゲットとする市場セグメントへのより深い理解が可能となり、小規模農家のニーズに合わせた介入が可能となる。同様に、政府も適切なマクロ的政策決定やプログラム策定・施行が可能となる。D4Agが十分な規模で普及することによって、農業システムを構成するセクターは極めて密接に結び付き、リアルタイムでアップグレードされ、サービス・投入財・情報提供コストの大幅な削減を通じ、いまだ経験したことのないような生産性・効率性・透明性の改善を達成することが可能であろう。D4Agは農業構造変化を促すのみならず、アフリカの2.5億の小規模農民・牧畜民の生業を改善しうる。ただし、D4Agは市場効率性・透明性・統合性を改善するが、インフラ・人的ネットワークを代替するものではなく、農民と市場を繋ぐための物的インフラ(道路・電気など)や人的インフラ(普及システム・金融・仲介業など)への投資を並行して行う必要がある。

本書は、一次・二次データの多面的分析に基づき、2019年時点におけるアフリカのD4Agの現状と、今後3-5年間の展望、さらなる発展に必要な対策、等について論じる。

より詳しい内容に関しては、以下のリンク等から報告書原文を参照のこと

https://www.cta.int/en/digitalisation-agriculture-africa

なお、概要に関する本翻訳は、CTAから公式に承認を受けたものではなく、翻訳上の誤りなどの責任は文責にある。

(文責:研究戦略室  飯山みゆき)