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1449.紛争の肥料・食料価格影響への懸念
1449. 紛争の肥料・食料価格影響への懸念
世界の肥料市場は、様々な地政学的および物流上の課題に直面しています。
鉱物性肥料の生産コスト、ひいては入手可能性は、エネルギー価格と密接に関連しています。天然ガスは、あらゆる窒素肥料、そして広く使用されているリン酸一アンモニウム(MAP)やリン酸二アンモニウム(DAP)、そして様々な窒素、リン、カリウム(NPK)の混合物にとって重要な原料です。安定した天然ガス価格は、肥料の生産と供給の予測可能性を支えています。
過去を振り返ると、世界の肥料価格は2020年頃から上昇し始め、2021年半ばに過去最高値にならぶ水準をつけていました。2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻は、サプライチェーンを攪乱し、エネルギー・農産物・肥料価格にインフレ圧力をもたらしました。国際肥料貿易は、紅海における継続的な海上混乱と、2024年のパナマ運河の航行不能によっても影響を受け、どちらも肥料輸送の不確実性を高めました。これらの課題の一部はその後緩和されましたが、リスクと保険コストの上昇は依然として世界貿易の重荷となっています。
現在急展開中の中東紛争の激化は、ホルムズ海峡の封鎖の恐れに繋がっています。世界の尿素輸出国上位10カ国(ロシア、カタール、中国、アルジェリア、サウジアラビア、エジプト、ナイジェリア、オマーン、マレーシア、オランダ)のうち、カタールやサウジアラビアはホルムズ海峡を経由して尿素を輸送しており、封鎖の影響は食料価格にも及ぶことが懸念されます。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)