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883. SDG2達成に向けた科学技術イノベーション推進と食習慣の見直し

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883. SDG2達成に向けた科学技術イノベーション推進と食習慣の見直し


国際社会が紛争や気候変動への対応に追われる中、2050年に約100億人に達すると予測される世界人口を養っていく上で、母なる地球は多くの課題に直面しています。国連の持続可能な開発目標SDG2 を達成に向け、より栄養のある食をより多くの人に最小の環境負荷のもとで届けるには、生産面での科学技術イノベーションと消費面での食習慣の見直しがカギとなります。

スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のブログは、20世紀に確立された食料大量生産システムのもとで、人類は飢饉の撲滅に成功した一方、作物は栄養価を失い、単一作物栽培は生物多様性に負の影響をもたらし、食料システムは人為的な温室効果ガス排出の3分の1を占めるようになったと指摘しています。

その上で、技術が全てを解決できるわけではないとしつつも、近年、様々な分野の研究者が種子の選抜・ゲノム編集・栽培から収穫・輸送加工パッケージングに至る世界の食料供給チェーン全体の課題に対する解決策に取り組んでいるとし、作物栽培分野だけでも化学物質・ロボット・自然をまねる方法を組み合わせるなど異分野連携に期待を寄せます。

一方、ブログは、持続性の実現において、我々の食習慣の見直しも重要性も訴えます。未だに多くの人々が飢えでなくなる一方で、数十億の人々が多大な環境負荷を伴う食習慣による過体重からの健康問題を患い、食料廃棄や収穫・貯蔵の問題で生じる食料ロスが食料生産の3割近くにも相当するという状態は見直されなければいけません。

科学技術イノベーションと行動変容を通じて持続的な未来を築くうえで、我々が日々食べているものがどこからきて、どのように作られているのか認識し、科学および消費者一人一人ができることを見直していく必要があります。

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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