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236. SDG2 アドボカシーハブ:Good Food For All
持続可能な開発目標(SDGs)の目標2は、「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養の改善を実現し、持続可能な農業を促進する」です。略称は「飢餓(の撲滅)」とされるため一見すると栄養の目標にも思われますが、設定された指標をみると、飢餓の撲滅に続き、小規模食料生産者の農業生産性及び所得の倍増や、強靭な農業の実践、遺伝的多様性の維持、農業投資、マーケットや貿易、市場情報へのアクセスなど、実に幅広い分野をカバーしていることに気づかされます。
このSDGs目標2を達成するために、多くのセクターが活動しています。それぞれのセクターごとに素晴らしい取り組みを行っているのですが、セクターを超えた全体の調整は欠如していることが初期の調査で明らかになりました。そのため、2017年に設立されたのがSDG2アドボカシーハブです。 NGO、農業のネットワーク、栄養士、活動家、市民社会、民間部門、国連機関が結集して、国際的なキャンペーンとアドボカシー活動を調整する役割を果たしています。SDGs目標2にどう関わっていくべきかの戦略的なガイダンスを示し、グローバルキャンペーンの方向性を提供し、草の根レベル・国レベルなどの多様なイニシアチブを支援します。
このハブで、SDGsの目標2にまつわる優れた政策やアドボカシーやキャンペーン活動のすべてを結び付ける物語として提供されているのが「すべての人に良い食料を(Good Food For All:GFFA)」です。GFFAでは、技術的な議論ではなく食料に焦点をおくことで、目標2の幅広さとより広い意味での食料体験を語ります。ジェンダー、気候、紛争など8つの柱があり、ロゴやアニメーションなどのツールキットも提供されています。
国際農研も、「地球と食料の未来のために」をモットーに、貧困削減、食料安全保障の確保、地球環境問題の解決を目指して、開発途上地域における農林水産業に関する技術向上のための試験研究を行っています。1970年の発足以来、日本の農林水産業研究分野における国際貢献と連携の中核的な役割を担ってきました。研究成果は、開発途上地域の農民の所得向上、安定した食料供給、気候変動対応のために活用され、SDGs目標の達成に貢献しています。
参考文献
The SDG2 Advocacy Hub. http://sdg2advocacyhub.org/
accessed on Feb 15, 2021.
(文責:研究戦略室 白鳥佐紀子)