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857. パリ協定達成に向けた進展状況

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857. パリ協定達成に向けた進展状況

9月8日、気候変動に関する国連枠組条約(UNFCCC)は、年末にドバイで開催予定の国連気候変動枠組条約第28回締約国会議 (COP28)を前に、パリ協定達成に向けた進展状況についてとりまとめた報告書を発表、気候変動対応に向けたアクションの強化・加速化を訴えました。 

パリ協定は、「地球の平均気温上昇を産業革命以前と比較して2℃未満に抑え、1.5℃未満を目指す」という具体的な目標を掲げ、締約国に自国が決定する貢献(NDC:nationally determined contribution)に向けたアクションを促してきました。報告書は、パリ協定によるゴール設定が温暖化を食い止めるための行動を促してきたことを認めつつ、現状維持路線を打破する必要があります。実際に、温暖化を1.5℃に抑制するには、2019年比で2030年までに温室効果ガス排出を43%削減、2035年までに60%削減し、2050年までに世界で二酸化炭素排出のネットゼロを達成する必要があります。

ネットゼロを達成し、温室効果ガス排出を削減するには、化石燃料からの脱却と再生可能エネルギーの普及拡大、森林破壊の停止、二酸化炭素以外の温室効果ガス排出削減、供給だけでなく需要側の措置の実施、を含む、システム変革が必要となります。同時に、気候正義の観点から、異なる文脈に即したアプローチを駆使したシステム移行は、公正な緩和成果をもたらすことが期待されます。


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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