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863. FAO 農業・食料に関するSDGs進捗報告書2023

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863. FAO 農業・食料に関するSDGs進捗報告書2023

持続可能な開発のための2030アジェンダの達成期限が半ばを迎えています。国連食糧農業機関(FAO)が管轄または貢献している農業・食料関連のSDGs目標は、目標1(貧困)、2(飢餓)、5(ジェンダー),6(水・衛生)、10(不平等)、12(生産・消費)、14(海洋資源)、15(陸上資源)の8つです。特にこれら8つの目標に関する進捗について、9月15日にFAOより年次報告書「Tracking Progress on Food and Agriculture-related SDG indicators 2023」が発行されました。

今年度版はpdf形式に加えオンラインで読む形式でも提供され、扱う指標も追加されています。FAOが管轄機関ではないものも含め、飢餓ゼロの達成を目的としたすべての指標にわたる情報を総合した、SDG 2の全体的な進捗評価も初めて含まれています。

多くの食料と農業関連の目標の進捗は、停滞または逆転しています。世界は2020年以前からすでにSDGsの達成に向かう軌道を逸しており、さらにこの数年間の複数のショックによって、目標の進捗が停滞したり逆行したりしてしまいました。 これらには、長引く新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響、世界中の武力紛争の影響、ひどいインフレ、さらに増大する気候危機の影響が含まれます。

結論としては、飢餓や栄養不良がゼロで持続可能な農業がおこなわれる世界というビジョンはまだ手の届くところにあります。しかし、食料と農業関連のSDG目標を達成するには、根深い不平等に対処し、農業・食料システムを変革し、持続可能な農業の実践に投資し、ショックに対する強靭性を強化するための緊急の行動と政策解決策が不可欠です。

そして、進捗を確実なものにするためにデータは重要な役割を果たします。依然として大きなデータギャップが存在するとして、特に後進開発途上国においてデータを作りだすことへの投資を加速する必要があるとしています。

 

(参考文献)
FAO. 2023. Tracking progress on food and agriculture-related SDG indicators 2023. Rome. https://doi.org/10.4060/cc7088en [Accessed on Sep 19, 2023]

 

(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)
 

 

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