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555. グリーン・リカバリーへの投資

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555. 回復からグリーン経済移行への投資

政府は約二年ぶりに、新型コロナの水際対策で止めていた外国人観光客の入国を6月10日より再開することを決めました。

COVID-19が2020年3月11日にパンデミックと宣言されてからおよそ2年3か月が経ちますが、当時から、世界各国はよりよい復興「ビルドバックベター」に向け、環境に配慮した回復「グリーン・リカバリー」へのコミットメントを表明してきました。国連開発計画(UNDP)は、グリーン・リカバリーへの投資の必要性についてまとめたサイトを発表しています。そのメッセージを紹介します。

世界の主要国は、COVID-19からの回復および気候変動・生態系危機の悪循環を断ち切るために、大型の財政支出を行ってきました。しかし、そのうち「グリーン」投資に向かったのは18%にとどまったそうです。

気候変動・生物多様性・紛争・難民危機・パンデミックといった問題に個別に取り組むのではなく、誰も取り残さない恒久的で包括的なアプローチが必要とされています。グリーン・リカバリーは、人々の生活・厚生・地球の健康の間の断ち切れない関係に配慮すべきです。グリーン・リカバリーは、気候変動・生物多様性危機・環境汚染といった地球が直面する三重苦に取り組むうえで、トレードオフを克服しながら、社会経済・環境のシステム転換を実現する必要があります。

SDGsの間のトレードオフをいった課題を解決するには、経済を犠牲にすることなく、人類と地球に資する解決法が必要となります。例えば、脱炭素化は、経済成長・雇用機会・公平性を犠牲にするのではなく、それらの改善を伴うべきです。ある研究は、再生エネルギーや森林面積の拡大といった選択肢を含むグリーン・リカバリーへの投資は、COVID-19以前のベースラインに比べても、貧困削減に大きく貢献すると推計しました。

一方、COVID-19からの回復への道筋に水を差すように、ロシアによるウクライナ侵攻は、食料安全保障を脅かしています。6月9日に食料見通しを公表した国連食糧農業機関によると、ウクライナ危機で悪化している食料・燃料・肥料価格の高騰により、多くの脆弱な国が普段より大きい支払いで少ない輸入量しか確保できないことへの懸念が生じています。肥料価格高騰で、農家は肥料等を減らすか、肥料をさほど必要としない作物への転換をはかっているとも伝えられています。このことは輸出国にもあてはまり、北米の農家は、トウモロコシから窒素肥料が少なくて済む大豆へと生産をシフトさせていると報告されており、今後、国際市場での穀物需給および価格に影響が及んでいく可能性が懸念されています。

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)