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548. ロシアのウクライナ侵攻による食料危機を巡る懸念と攻防

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548. ロシアのウクライナ侵攻による食料危機を巡る懸念と攻防

6月に入りましたが、年初以来、ロシアによるウクライナ侵攻など、コロナ禍も収束しきれていない国際社会に様々な試練が訪れています。
5月24日世界経済フォーラムは、2022年に起こりうる事について世界トップのエコノミストの意見を取りまとめました。

①    インフレ予測は世界各国でばらつき ‐ 欧米では90%以上が高い~とても高いインフレ予測をするのに対し、中国ではその割合が四分の1。
②    脱グローバル化の進展
③    賃金の低下
④    ロシアのウクライナ侵攻による世界食料安全保障の危機-とりわけサブサハラ・アフリカ、中東、北アフリカを直撃する懸念 
⑤    多国籍企業によるサプライチェーンの再編-多様化、同時にローカル化

④について、国際機関は、ロシアのウクライナ侵攻以来食料危機の懸念を表明してきました。5月中旬には、アントニオ・グテーレス国連事務総長が、過去1年の間、食料価格は30%(1/3)以上、肥料価格は50%(half)以上、植物油は66%(2/3)近く上昇していることに言及し、ロシアのウクライナ侵攻が、気候変動・COVID-19・格差による食料危機をさらに深刻化・加速化させていることを警告しました。6月1日は、国連事務総長は、ロシアによるウクライナ侵攻が、食料・肥料等の価格高騰を通じ、破滅的な事態 - パーフェクト・ストーム ―をもたらしている、と論じました。

5月末の時点で、国際機関や世界各国はロシア侵攻によりウクライナの穀物輸出が滞っていることについて懸念を示し、ウクライナの港から穀物輸出を可能とするための措置について制裁対象であるロシアとの攻防が続いているようです。
 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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