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553. 世界海の日

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553. 世界海の日

6月8日は「世界海の日」です。国際社会が直面している海洋に関する課題について世界的な認識を高める機会を作るために制定され、2008年の国連総会において、2009年から「世界海の日」を毎年6月8日とすることが決定されました。また、2022年は「零細漁業と養殖の国際年」(The International Year of Artisanal Fisheries and Aquaculture;IYAFA 2022)です。小規模漁業と養殖業の役割に関する認識を高め、科学と政策の相互作用を強化し、関係者が行動を起こせるようにし、新しいパートナーシップを構築し、既存のパートナーシップを強化することを目的として制定されました。

本日のPick Upでは、国際農研の2021年の研究成果から水産分野の零細漁業と養殖に関連する研究を2例(ミルクフィッシュ、エビ)紹介いたします。

 

  • フィリピンにおける養殖ミルクフィッシュの成長と肥満度は水温で予測できる

ミルクフィッシュはフィリピン、インドネシア、台湾などで生産される重要な食用魚です。養殖がさかんで一定の大きさのものが出荷されています。本研究において、ミルクフィッシュの成長と肥満度、水温のデータの関連を解析することで、より正確な成長予測が可能になり、適切な給餌にも役立つことが明らかになりました。

成果の詳細は → こちら

 

  • 生殖細胞凍結保存技術によりクルマエビ類の遺伝的多様性保全を図る

持続的な水産養殖の確立には、養殖する水産物の遺伝的な劣化を防止する技術や、病気に強い優良系統の作出が必要です。そのためには現存する種の遺伝的多様性を維持・保存することが重要ですが、甲殻類では配偶子の凍結保存技術が確立されておらず、遺伝的多様性を維持・保存するためには、水槽や生け簀で膨大な数の生きた個体を飼育し続ける以外に方法がありませんでした。本研究では、クルマエビ類に属するウシエビおよびバナナエビの2種について、水生無脊椎動物で初となる生殖細胞凍結保存技術を開発しました。

 成果の詳細は → こちら

 

(文責:水産領域長 宮田 勉、企画連携部 奥津 智之、情報広報室 金森 紀仁)

 


 

ミルクフィッシュ

クルマエビ類の生殖細胞凍結保存技術

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