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450. 2022年を迎えて
450. 2022年を迎えて
2022年を迎えました。
昨年末に公表されたNature論説は、2022年に注目すべき科学イベントとして、オミクロン株の毒性やワクチンの有効性に関する不確実性、新たな変異株が発現する可能性と感染による患者の健康への長期的な影響に言及する一方、世界人口の半数がまだワクチン未接種であるという格差の問題を指摘しました。気候・環境分野では、グラスゴーでの国連気候変動枠組条約 締約国会議 (UNFCCC COP26)のフォローアップである11月エジプトで開催予定のCOP27、また4月末~5月上旬に中国・昆明で開催される国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)第二部が着目すべきイベントとされています。後者の生物多様性については、2010年に名古屋で開催されたCOP10にて採択された「愛知目標」について2020年までに十分達成できなかったという認識を踏まえ、2030年までの目標を定めたグローバル生物多様性枠組み(GBF:Global Biodiversity Framework)が議論される予定です。
2022 年はまた、農林水産業や国際開発の分野と関連して、次の国際年・国際イベントが控えています。
零細漁業と養殖の国際年 UN International Year of Artisanal Fishery and Aquaculture
第8回アフリカ開発会議(TICAD8)
今年も気候変動やフードシステムなど農林水産業に関連する地球規模課題にかかわる情報発信につとめていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
参考文献
Nature 17December 2021. The science events to watch for in 2022. Omicron, Moon missions and particle physics are among the themes set to shape research in the coming year. https://www.nature.com/articles/d41586-021-03772-0
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)