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223. 史上最大の気候変動世論調査―People’s Climate Vote

 

2021年1月、国連開発計画(UNDP)とオックスフォード大学は、世界人口の半数以上に相当する50か国を対象に、史上最大の気候変動に関する世論調査 – “People’s Climate Vote” を実施しました。  調査は、伝統的な調査では中々リーチできない18歳以下の若年層にも、モバイル・ゲームネットワーク等を通じて質問しました。

調査の結果、COVID-19パンデミック渦中でも、64%の人々が気候変動を世界が直面する緊急事態であると認識していることを示しました。気候変動緊急性を認識する人々の割合は、高所得国の間では、次回の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)ホスト国であるイギリス、そしてイタリア(81%)に続き、日本(79%)で高く、アメリカ(65%)やチリ(66%)では比率は下がるものの、それでも国民の多数が認識していました。教育水準が高いほど、気候変動の緊急性への認識は高く、ブータンやDRC、またはフランスや日本では8割を超えました。

全体として人気の高い気候変動対応策は、森林・土地保全(54%)、太陽光・風力・再生エネルギー(53%)、気候に優しい農業技術・農法(52%)、グリーン・ビジネスや雇用への投資(50%)、でした。その他、

  • 温室効果ガス高排出国の間での再生エネルギー推進支持率:オーストラリア76%、カナダ73%、ドイツ71%、南アフリカ69%、日本68%、最大の排出国であるアメリカは65%、ポーランド57%、ロシア51%;
  • G20におけるグリーン・ビジネスや雇用投資支持率:イギリス73%、ドイツ・オーストラリア・カナダ68%、南アフリカ65%、イタリア64%、日本59%、アメリカ57%、フランス56%、アルゼンチン・ブラジル・インドネシア51%;
  • 日本を含むアジア太平洋地域で人気のある政策:森林・土地保全(48%)、に続き、再生エネルギー、グリーン・ビジネスや雇用への投資、気候に優しい農業技術・農法(全て47%);

 

昨年10月、日本政府は2050年までにカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言し、これを受けて政府は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。

その戦略を具体化するための「⑨食料・農林水産業分野」の温室効果ガス排出削減の工程表の中で、国際農研が世界でもリーダーシップをもって国際共同研究に取り組んでいる【GHGと水質汚濁物質を削減する生物的硝化抑制(BNI)能強化品種の開発】が有望なイノベーションの1つとして記載されました。 国際農研は、今後も、気候変動を取り巻く国際動向の情報提供を行うほか、国際農林水産分野において日本がリーダーシップを果たせるBNI技術開発の内容についても、紹介を行っていきます。


参考文献

UNDP. World’s largest survey of public opinion on climate change: a majority of people call for wide-ranging action January 27, 2021 https://www.undp.org/content/undp/en/home/news-centre/news/2021/Worlds_…

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)