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222. CGIAR 50周年とOne CGIAR

 

CGIARは、開発途上国の農林水産業の生産性向上、技術発展を目的に1971年に設立された国際組織であり、国際農業イノベーションを主導してきました。このCGIARは2021年に設立50周年を迎えます 。Bill Gates氏は「CGIARについて聞いたことのない人の方が多いかもしれないが、人類の食料問題への貢献においてその功績ははかりしれない」と述べています。 


過去50年の間、国際農業研究の課題は、設立当時の飢餓撲滅から、環境問題・生物多様性保全・貧困や不平等の解消、と常に変化し複雑化してきました。これに応じ、作物、畜産、森林、漁業および自然資源管理という多岐にわたる分野の国際農業研究機関がCGIARに参画してきました。近年は、グローバル化する世界における食料・環境問題をシステム的に解決すべく、CGIAR参画機関の有機的な連携アプローチが模索されてきました。統合強化を目的とした組織改編(One CGIAR)をおこなったCGIARは、これまで以上にパートナーとの連携を強化しつつ、科学技術イノベーションでのリーダーシップをとりながら、21世紀のフードシステムの直面する食料・水・土地問題の解決に貢献していくことを目指しています。

 
日本は1972年のCGIAR加盟時 から現在に至るまで、CGIARに対し資金・人的面で多くの貢献を行ってきました。これまでにCGIARに所属した日本人スタッフ(日本からの派遣者も含む)は累計237人を数え、数多くの研究成果をあげてきました。また、国際農研の岩永理事長が日本人で初めてCGIAR機関の一つであるCIMMYT(国際とうもろこし・小麦改良センター)研究所長をつとめたのをはじめ、累計70人を超える日本人理事が、CGIARを通じて国際農業研究のアジェンダ形成に大きな貢献をおこなってきました。


このCGIAR 50周年を機に、国際農研を中心として、One CGIARの動きを含むCGIARの変革の歴史を振り返るとともに、これまでのCGIARの活動にはたした日本・日本人研究者の貢献をとりまとめる企画を計画しております。このPick Upでもこれらの関連情報をわかりやすく紹介していく予定です。

 

参考文献
CGIAR https://www.cgiar.org/; https://www.cgiar.org/cgiar-at-50/  

(文責:社会科学領域・Africa Rice Center 齋藤和樹、生産環境・畜産領域 村中聡、研究戦略室 飯山みゆき)