[アフリカサバンナ農業] アフリカ、サバンナ地帯における持続的生産のための農業技術の確立

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資源環境管理

2021-03-02

サブサハラ・アフリカの農業生産性を向上させることは、今日緊急の世界的課題となっていますが、地域によってその状況は異なります。本プロジェクトでは、三地域でその地域固有の問題を解決するために研究を進めています

西アフリカでは、激しい土壌侵食と低い土壌肥沃度が問題となっており、これらの問題を解決するために、保全農業作付け体系の確立を目指します。保全農業とは、なるべく耕さない、マメ科作物などの残渣で地表面を被覆するなどの技術を組み合わせ、風や雨水からの土壌侵食を防止するとともに、土壌の肥沃度を維持・向上しようという考え方です。この考え方にもとづき、ガーナからブルキナファソにかけて、どのような土地でどのような作付け体系が可能かを明らかにしていきます。

サハラ砂漠の南端のサヘル地域は、雨期のみに300~600mm程度の降水量のある半乾燥の地域ですが、一部には利用が不十分な水資源が存在しています。本プロジェクトでは、ニジェール国において、これまで有効利用が進んでいない自然沼の既存水資源を活用した、乾期野菜栽培を促進するための手法に取組んでいます。

図1 乾期野菜栽培を促進するための農民の組織化手法について調査しています。

南部アフリカのサバンナ帯は、西アフリカに比べて農業生産ポテンシャルは高いのですが、未利用地が多く自給的な農業で停滞しています。そうした中で、モザンビーク国北部のナカラ回廊周辺部は、日本の国際援助により整備が進められ、近い将来市場へのアクセスが容易になることが期待されます。そこで、商品価値の高い作物を導入し、農家の現金収入向上を図ることを目的として、作付け体系(自給作物と商品作物の組み合わせ)と農業技術を選択するための意志決定支援モデルを開発し、持続的な商業的農業システムの構築を目指します。

図2 キャッサバはトウモロコシとともに、モザンビークの主要な自給作物です。これにダイズなどの商品作物を組み合わせた作付体系を考えています。

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