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1569. 2026年8月、観測史上最も暑い月に並ぶ―世界平均気温は産業革命前比1.65℃上昇

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1569. 2026年8月、観測史上最も暑い月に並ぶ―世界平均気温は産業革命前比1.65℃上昇

 

欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービス(C3S)は2026年9月10日、同年8月の世界平均地表気温が16.96℃となり、2023年7月と並んで、全ての暦月を通じた観測史上で最も暑い月になったと発表しました。これは、1991~2020年平均を0.85℃、産業革命前の1850~1900年平均を1.65℃上回る値です。月平均気温が産業革命前比で1.5℃を超えたのは、2025年11月以来となります。以下では、海洋の状況と欧州・日本を含む地域別の特徴を紹介します。

同サービスによると、北緯60度~南緯60度の海域における2026年8月の平均海面水温は21.07℃で、8月として過去最高となりました。また、2024年3月と並び、C3Sが用いる解析データにおいて、全ての暦月を通じた月平均値としても過去最高となりました。C3Sは、この記録的な高海面水温について、化石燃料の燃焼に伴う地球温暖化に加え、赤道太平洋で急速に高まっている海面水温と、強まりつつあるエルニーニョ条件が寄与しているとしています。また、C3Sの姉妹サービスであるコペルニクス大気監視サービス(CAMS)は、エルニーニョに関連する条件が、インドネシアにおける季節的な森林火災の強まりを促す状況を生み出していると報告しています。

西欧では、2026年夏季(6~8月)の平均気温が、従来の2003年の記録を上回り、観測史上最も高くなりました。C3Sは、5月から始まった例外的に早期かつ持続的、強度の高い熱波が、この記録的な夏につながったとしています。

2026年8月には、西欧のほか、中・東欧の広い地域で平年より乾燥した状態がみられました。西欧における8月の降水不足は夏の初めより緩和した一方、乾燥地域では、それまで数か月の乾燥の影響を反映して、地表土壌水分が例外的に低い状態にありました。フランス、英国、ハンガリー、ルーマニア、セルビアでは深刻な干ばつが報告され、ライン川、ドナウ川、南ブーフ川、ドニエプル川では河川流量が例外的に低くなりました。C3Sは、2026年夏季の欧州で、深刻な干ばつ、山火事の発生・拡大と、それに伴う排出が広く報告されたとしています。

日本については、C3Sは2026年8月に平年より湿潤だった地域として、中国東部、台湾、日本を含む東端部のアジアを挙げています。これは月降水量に関する地域的な傾向を示すものであり、日本全国の気象状況を一律に示すものではありません。

今回の産業革命前比1.5℃超過は、単月の世界平均気温に関する値です。このため、パリ協定の1.5℃目標でいう長期的な気温上昇水準を既に超えたことを、直ちに意味するものではありません。

 

一方、先日のPick Up 1567で紹介した国連環境計画(UNEP)が2026年9月に公表した報告書は、世界平均気温が長期的に1.5℃を上回る「オーバーシュート」が生じる場合、気温上昇のピークが高いほど、また1.5℃を超える期間が長いほど、人と自然に対するリスクが大きくなると指摘しています。報告書では、極端な高温、豪雨、干ばつ、生態系の損失などの影響が深刻化し得ること、さらに不可逆的または人間の時間尺度では回復が極めて困難な変化の閾値を超える可能性や、適応の限界に直面する可能性が高まることが示されています。

 

本稿としては、今回の記録は長期的なオーバーシュートそのものを示すものではない一方、世界の気温が1.5℃という水準に繰り返し到達・超過し得る段階にあることを示す重要な観測結果と考えます。温室効果ガス排出の迅速かつ持続的な削減により気温上昇のピークと超過期間をできる限り抑えることに加え、既に現れている影響に対応するための適応策を強化することが、これまで以上に重要です。

 

引用文献:
Copernicus Climate Change Service (C3S). (2026年9月10日). “Copernicus: August was the world’s joint hottest month on record, pushing global temperatures back above 1.5°C above pre-industrial levels.” https://climate.copernicus.eu/copernicus-august-was-worlds-joint-hottes…(2026年9月10日参照)

(文責:戦略統括室 飯山みゆき)
 

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