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1511. 世界環境デー特集:気候危機の現状と将来見通し―UNEPが示す7つのグラフ
1511. 世界環境デー特集:気候危機の現状と将来見通し―UNEPが示す7つのグラフ
6月5日の世界環境デー(World Environment Day 2026)に関連し、国連環境計画(UNEP)は、気候危機の現状と将来見通しを7つのグラフで解説した記事を公表しています。
同記事によれば、世界の温室効果ガス排出量は依然として増加傾向にあり、2024年には約580億トン(CO2換算)と過去最高に達しました。パリ協定の下で各国が排出削減目標を掲げているものの、現時点では世界全体として十分な削減には至っていないとされています。
その結果として、地球平均気温は上昇を続けています。UNEPは、2024年の世界平均地表気温が19世紀後半の平均と比較して約1.5℃に達したと報告しています。また、特に過去20年間にわたり温暖化の進行が顕著であり、洪水、熱波、山火事などの極端気象の増加につながっていると指摘しています。
さらに、温暖化の影響は地球システムにも及んでいます。例えば、北極圏では永久凍土(パーマフロスト)の融解が進み、これまで地中に固定されていた炭素やメタンが放出されつつあります。UNEPは、こうした変化が温暖化をさらに加速させるフィードバックを引き起こす可能性があるとしています。
将来の気温上昇について、同記事は不確実性があるとしつつも、現在の政策が継続された場合、今世紀中に地球平均気温は産業革命前比で2.5~4.6℃上昇する可能性があると示しています。また、各国が現在表明している気候目標が完全に達成された場合でも、2.1~2.9℃の上昇が見込まれるとされています。
加えて、いわゆる「ティッピングポイント(転換点)」に関するリスクも指摘されています。UNEPによれば、気温上昇が約2℃に達した場合には温暖海域のサンゴの大部分が失われる可能性が高く、約3℃ではグリーンランド氷床や西南極氷床の不安定化リスクが高まるとされています。さらに約4℃の上昇では、アマゾン熱帯林の生態系に重大な変化が生じる可能性があると指摘されています。
また、気候変動は経済にも大きな影響を及ぼすとされています。UNEPは、十分な対策が講じられない場合、2100年までに世界のGDPが最大で約22%減少する可能性があり、年間で約133兆米ドル規模の経済損失に相当するとの試算を示しています。
一方で、排出削減に向けた前向きな動きも見られます。同記事では、オーストラリア、中国、EU、日本、韓国などにおいて、排出量が減少または減少傾向にあることが紹介されています。再生可能エネルギーの導入拡大やエネルギー効率の向上により、さらなる削減が期待される一方で、UNEPは、現在の対策の進捗は依然として不十分であり、気候危機を回避するためには取り組みの大幅な加速が必要であると強調しています。
以上のように、本記事はUNEPの提示するデータと見解に基づき、気候危機の現状と将来リスクを整理したものです。これらの知見は、今後の気候変動対策の検討において重要な基礎情報となると考えられます。
(参考)
United Nations Environment Programme (UNEP). The climate crisis explained in seven graphs. World Environment Day 2026 – Latest Updates, 1 May 2026. https://www.unep.org/news-and-stories/story/climate-crisis-explained-se…
(文責:戦略統括室 飯山みゆき)