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1383. 2060年にかけての世界の超長期食料需給見通しの実施

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1383. 2060年にかけての世界の超長期食料需給見通しの実施

 

国際農研と農研機構が開発した世界食料モデルを用いて行った、「2060年にかけての世界の超長期食料需給見通し」が農林水産省のHPで公開されています。

世界の食料需給見通し:農林水産省

このモデル開発と結果の分析は、令和4年度から6年度にかけて実施された、農林水産省大臣官房政策課食料安全保障室の請負事業「世界の超長期食料需給予測に向けた予測モデル等検討業務」で実施されました。

この事業の目的は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書(AR6)に対応した気候予測値とマクロ経済予測値を用いる、気候変動を考慮した世界各国の食料需給分析が可能なモデルを開発し、気候変動が、主要生産国、途上国、および我が国の食料生産と供給に与える影響を評価し、また、その結果を公表し、食料安全保障の確保に関わる施策の立案に資することです。

見通しのポイントとして次のことが挙げられます。
・人口増加と経済発展による需要の増加に対応して、予測年(2051~2060年平均)の世界の主要作物(小麦、米、トウモロコシ、大豆)の生産量は、基準年(2011~2020年平均)比1.4倍、主要肉類(牛肉、豚肉、鳥肉)の生産量は1.5倍増加します。
・人口と1人当たり実質GDPの増加を背景とした需要の増加により、主要作物の純輸入量は、アジアでは3.6~4.1億トン、アフリカでは2.4~2.7億トン増加が予測されます。また、主要肉類の純輸入量は、アジアでは3.3~3.7千万トン、アフリカでは3.9千万トン増加と予測されます。

 

この研究成果については、2024年12月5日、東京大学弥生講堂において、農林水産省の主催の国際シンポジウム「気候変動が世界の食料需給に与える長期的影響と食料安全保障」でも発表されました。このたび、シンポジウムの様子をJIRCAS公式YouTubeチャンネルにて公開しました。動画は日本語および英語の通訳音声付きで視聴いただけます。

 

国際シンポジウム:気候変動が世界の食料需給に与える長期的影響と食料安全保障 |

 


(文責:古家淳)
 

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