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1270. 2025年世界環境デー

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1270. 2025年世界環境デー

 

2025年の世界環境デー(World Environment Day)は、プラスチック汚染への取組みに光を当てています。

2019年、プラスチックは18億トンの温室効果ガスを排出しました。これは世界の総排出量の3.4%に相当し、プラスチック生産量は2060年までに3倍に増加すると予想されているため、この数値は大幅に増加すると見込まれています。

プラスチック汚染の増加は、地球の生物多様性に極めて有害であるだけでなく、気候変動にも寄与しています。現在生産されている使い捨てプラスチックの約98%は、石油やガス由来の成分である石油化学製品で作られています。これらの化石燃料の採掘と輸送、そしてプラスチックの製造と廃棄はすべて、地球温暖化の原因となる炭素排出を伴います。

気候変動を抑制するためには、世界は化石燃料からの脱却を図る必要があります。電力部門では、石油が再生可能エネルギーにますます置き換えられており、道路輸送と発電における石油の使用量は大幅に減少しています。しかし、プラスチックや石油・ガス由来のその他の製品の生産が急増しているため、石油需要は高止まりしています。石油化学製品は、2030年までの世界の石油需要増加分の3分の1以上、2050年までの増加分のほぼ半分を占めると予想されています。

プラスチックは、地球規模の温室効果ガス排出の一因となるだけでなく、土壌を汚染し、地下水を汚染し、生物に害を及ぼします。プラスチック廃棄物は、河川、海、陸上を問わず、何世紀にもわたって環境中に残留する可能性があります。

OECDによると、プラスチック廃棄物全体の約22%が環境に排出され、その多くは海に流れ込み、海洋生物に悪影響を及ぼしています。マイクロプラスチックは、食品、水、包装材を通じて、私たちの体内にも入り込み、肺、肝臓、脾臓、腎臓などにも蓄積されます。

プラスチック廃棄物全体の3分の2は、使い捨てまたは短寿命のプラスチック製品に由来しています。これまでに世界で発生したプラスチック廃棄物の総量70億トンのうち、リサイクルされたのは10%未満です。

クリーンで健全な環境のために、一人一人がプラスチック汚染の回避に取り組まなければなりません。

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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