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1081. 持続的な食料サプライチェーンの構築に向けて
1081. 持続的な食料サプライチェーンの構築に向けて
世界人口に十分な量の食料供給を保障するうえで、我々は極めて複雑に絡み合った食料サプライチェーンに依存しています。こうした複雑に絡み合う多層的なサプライチェーンの構造ゆえに、持続的な慣行の採用が阻まれてきました。世界経済フォーラムのブログは、食料サプライチェーンにおいて、食料供給や価値創造と妥協することなく、持続可能性を実現するにあたり、研究・イノベーションの役割について論じています。
食料サプライチェーンは近代的な生産・消費プロセスの一翼を担っており、その規模は2024年時点で9.12兆ドル相当、年率6.7%で成長しているとの推計もあります。
農場から食卓までに至る財の供給を担う食料サプライチェーンは恐ろしいほど複雑です。上流・中流・下流にかけて、原料供給から最終商品への加工に関わる数多くの関係者を抱えており、グローバルな調達・業務委託のトレンドによって、企業間の相互依存関係はさらに複雑化に拍車がかかっています。
多くの食料部門の企業は、サプライチェーン管理において競争優位を保つ上で、持続性概念に取り組むことへのハードルに直面しています。というのも、企業は、複数の需給リンクやループ・無数の関係者や非線形ダイナミックスを伴う広範かつ重層的なサプライネットワークのもと、経済・社会・環境パフォーマンス指標を見据えながら、企業活動の運営方法を探らなければならないからです。
ブログ著者は、地球システムの視点から持続的な食料サプライチェーン構築の重要性を強調し、食料サプライチェーン関係者の協力とパートナーシップ、食料チェーンの原料から配達に至る横断的な持続的イノベーションの普及、サプライチェーンのマッピング、持続性パフォーマンスの測定、キャパシティビルディング、を提案しました。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)