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791. 世界環境デー 2023

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791. 世界環境デー 2023

 

本日、6月5日は、環境保全に対する関心を高め啓発活動を図る日として制定された「環境の日」・「世界環境デーWorld Environment Day」です。

本年は、とくに、プラスチック汚染への解決策を提案しています。

 

プラスチック汚染の解決に向けて

世界で年間約4億トンのプラスチックが生産されています。そのおよそ半分が使い捨て用に設計され、使用後のリサイクル率は10%に満たない状況です。年間推定1900-2300万トンのプラスチックが湖や川、海へと流れこみ、その量はなんとあのエッフェル塔の2200塔分の重さに相当すると推計されています。

直径5mm以下のプラスチック粒子であるマイクロプラスチックは、今や食品や水、空気中にも広く混在しています。飲食物と混在したマイクロプラスチックの摂取は一人当たり年間 50,000 個以上とされ、呼吸時に吸い込まれる分を考慮すれば、さらに多くのプラスチック粒子が体内に取り込まれていることになるのです。

ポイ捨てや焼却された使い捨てプラスチック用品も人の健康と生物の多様性に危害を与えています。高い山の頂上から深い海の底まで、あらゆる生態系がこのような不適切な管理によって汚染されています。

一方、解決に向け科学を駆使したあらゆる取り組みが考えられ、政府、企業、関係者全員における広く迅速なアクションが求められています。
世界の隅々で実践される革新的なアクションについての関心を喚起・啓蒙する意味でも、「世界環境デー」が重要な役割を担っています。

自然界は緊急状態に直面し、残された時間は僅かです。今世紀中の温暖化上昇を1.5℃に抑えるために、世界は2030年までに温室効果ガスの年間排出量を半減させなければなりません。対策を打たなければ、規定値を超える大気汚染への曝露が今後10年以内に50%上昇し、水圏生態系に流入するプラスチック廃棄物が2040年までに3倍増すると予測されており、早急な対策が必要です。

 

知っておきたい、プラスチック廃棄のあれこれ

海へ流れ込むプラスチックゴミは1年間に1100万トンです。これが2040年までに3倍に膨れ上がると言われています。800種類を超える海洋・海岸生物が廃棄物の誤った摂取や絡むことによって被害を受けているのです。
プラスチック市場の循環経済への移動によって、2040年までの海洋への流出量を80%以上削減、新品素材由来のプラスチック生産量を55%削減、2040年までの財政支出を700億ドル削減、温室効果ガス排出量を25%削減でき、グローバルサウスを中心に70万人の雇用創出が可能とされています。

 

(文責:情報プログラム トモルソロンゴ、飯山みゆき)

 

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