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781. 国際生物多様性の日

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781. 国際生物多様性の日

水・食料・薬・服・燃料・家・エネルギーなど、我々の生活は健全なエコシステムに依存しています。しかし人為的な経済活動は生物多様性を破壊してきました。現在、陸地生態系の4分の3、海洋環境の66%が、人為的な活動によって改変されてきました。この結果、100万もの動植物種が絶滅の危機に直面しているとも推計されています。生物多様性を尊重し、保護し、修復していくことが求められています。

5月22日は、「国際生物多様性の日International Day for Biological Diversity」として、生物の多様性が失われつつあること、また、それに伴う諸問題に対する人々の認知を広めるために国際連合が制定した記念日です。


昨年12月、国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において、2030年までに達成すべき、4つのゴール、23のターゲットを含む、「昆明モントリオール・グローバル生物多様性フレームワーク(Kunming-Montreal Global biodiversity framework )」が合意されました。 

そこで、今年の国際デーのテーマは、「合意からアクションへ 生物多様性のよりよい復興 agreement to action: build back biodiversity」です。国際的に合意された次のアクションを、2030年までに実行していくための行動が求められています。 

  • 世界の陸域・内水・海岸地域・海洋の少なくとも30%、とりわけ生物多様性・エコシステム機能やサービスにとって重要な地域を重点的に保全する
  • 世界的に食品廃棄物を半減する
  • 農薬や取扱注意の化学薬品の過剰使用やリスクを半減する
  • 2030年までに段階的に生物多様性にダメージを与える補助金を削減あるいは見直す一方、生物多様性保全・持続的利用に資する仕組みを強化する
  • 2030年までに国内・国際生物多様性関連の官民ファンディングを少なくとも毎年2000億ドル調達する
  • 先進国から途上国、とりわけ最貧国・島嶼国・経済移行国に対する国際資金フローを、2025年まで少なくとも年間200億ドル、2030年までに年間300億ドル程度まで増額する 
  • 侵略的外来種を半減させる
  • 多国籍大企業や金融機関に対し、供給網・バリューチェーンにおける活動が生物多様性に及ぼしうるリスク・依存度・インパクトを監視し、評価し、開示することを要求する

生物多様性の喪失は、我々の生存を脅かします。生物多様性の喪失は人獣共通感染症の拡散をもたらす一方、生物多様性を保護することで、将来のパンデミックに備えることに繋がります。


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)


 

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