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428. 2021年世界栄養報告:N4Gと新しい栄養説明責任フレームワーク

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428. 2021年世界栄養報告:N4Gと新しい栄養説明責任フレームワーク

2021年12月7日、8日には東京栄養サミットTokyo Nutrition for Growth (N4G) Summit 2021)が開催されます。それに先立ち、2021年11月23日、2021年世界栄養報告(2021 Global Nutrition Report)が発行されました。世界栄養報告とは、2013年の栄養サミット(N4G)をきっかけに生まれた、データ主導による独立した評価を行う報告書です。国際栄養目標に向けた進捗や過去のN4Gでのコミットメントの追跡、食生活の地球環境に与える影響や栄養に関する資金調達などを幅広く評価し示すことで、栄養改善のための行動を促す重要な役割を担っています。

今年の報告書では、栄養改善の進捗が、無いわけではないにしろ極めて遅いことが示されました。栄養不良の子どもの数は非常に多いまま(1億4920万人が発育阻害など)ですし、成人の肥満(成人の40%以上が体重過多)の増加を抑え込んでいる国はありません。新型コロナの影響もあり、ほとんどの国で、国際栄養目標を達成するためには、取り組みをさらに加速させる必要があります。

私たちの食生活は過去10年間改善されていません。たとえば果物と野菜の摂取量は推奨量の約半分です。現在の食生活は健康と地球への大きな脅威であり、食事に起因する死亡は成人の死亡全体の約4分の1にのぼり、世界の食料需要は温室効果ガス排出量の3分の1以上(35%)を生み出しています。

栄養目標を達成するために必要な追加資金は、新型コロナの影響もあり、大幅に増加しました。消耗、発育阻害、母親の貧血、母乳育児の4つの目標を達成するには、2022年から2030年まで毎年108億ドルの追加資金が必要です。栄養に特化したニーズだけでなく栄養に配慮したニーズまで入れると、年間390~500億ドルが必要になります。一方、栄養への投資による社会の利益は2030年までに年間5.7兆ドル、2050年までに年間10.5兆ドルに達する可能性があります。

2013年と2017年に行われたN4Gのコミットメントの中で、SMART基準*を満たしていたのは29%のみということもあり、正確な進捗状況の測定は困難でした。そのため、世界栄養報告は2021年9月に、新しい栄養説明責任フレームワーク(Nutrition Accountability Framework: NAF)を設定しました。これはコミットメントの進捗を管理し加速させる、世界初の独立した包括的なプラットフォームになります。

 

東京栄養サミットの前日、国際農研は、FAO駐日連絡事務所との共催、農研機構の後援を受け、「野菜・果物―地球と人間の健康のための研究と行動の機会」をオンライン開催し、科学技術イノベーションの役割について議論します。是非ご登録・ご視聴ください。

 

シンポジウム:野菜・果物―地球と人間の健康のための研究と行動の機会
プログラム:https://www.jircas.go.jp/ja/symposium/2021/e20211206 
開催日:2021年12月6日(月)
場所:オンライン(要・事前登録)
受付期間:2021年11月15日(月) 09:00 - 2021年12月6日(月) 15:00
申込受付:https://www.jircas.go.jp/ja/symposium/2021/e20211206/entry
申込締切:2021年12月6日(月) 15:00

問い合わせ先:国際農研 情報広報室
Email: event-jircas@ml.affrc.go.jp
URL: https://www.jircas.go.jp/ja/form/inquiry


*SMART: コミットメントがSpecific(具体的で), Measurable(測定可能で), Achievable(達成可能で), Relevant(関連があり) and Time-bound(達成期限付)であること

参考文献
Global Nutrition Report. https://globalnutritionreport.org/reports/2021-global-nutrition-report/
Accessed on Nov 25.

(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)