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208. 2021年東京栄養サミットに向けての動き

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2021年12月、東京栄養サミット2021(Tokyo Nutrition for Growth Summit 2021: N4G 2021)が開かれます。栄養サミットとは、オリンピック・パラリンピックの開催に合わせ、栄養不良の解決に向けた国際的取組を推進する取り組みです。ロンドンから始まり、リオに続き、今回は東京ということで、オリパラの開催国である日本がホストとなりサミットを開催する予定です。本来であれば2020年12月に開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が継続している状況に鑑み、開催時期が1年延期されました。

N4Gは、政府、ドナー、慈善活動家、企業、NGO他さまざまなステークホルダーを結集した国際的な取り組みです。2020年12月のローンチに始まり、この1年は年間を通してさまざまなイベントが開かれる「成長のための栄養:行動の年(Nutrition for Growth Year of Action)」となります。

その最高潮ともいえる東京栄養サミットは、栄養に関連する様々な分野を取り上げ、世界各国の栄養関係者とともに課題解決に向けて議論し、取組を発表する場となります。具体的には、(1)栄養のユニバーサル・ヘルス・カバレッジへの統合、(2)健康的で持続可能なフードシステムの構築、(3)脆弱な状況下における栄養不良対策、(4)データに基づくモニタリング(説明責任)、(5)栄養改善のための財源確保、の5つのテーマを取りあげる予定です。

すべての人が、栄養価が高く持続可能な食事を摂取できるためにはフードシステムをどう変革すればよいのでしょうか。過栄養、低栄養、気候変動の蔓延が世界中で相乗的に起こっている―シンデミック(syndemic)―ことは最も大きな課題です。さらに新型コロナウイルスのパンデミックもフードシステムに大きな影響を与えています。公衆衛生(public health)を超えて、地球の健全性(planetary health)にも焦点を当てる栄養政策が求められています。政策の役割、民間部門の役割、栄養研究コミュニティと、それぞれ視点は違いますが、マルチセクターの協働が必要とされています。

 

参考文献

Nature Research. Building better food systems for nutrition and health. https://www.nature.com/articles/d42473-020-00505-1
accessed on Jan 5, 2021.

2021Nutrition for Growth
https://nutritionforgrowth.org/
accessed on Jan 5, 2021.

外務省 東京栄養サミット2020の開催延期
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ghp/page25_001988.html
accessed on Jan 5, 2021.

 

(文責:研究戦略室 白鳥佐紀子)

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