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437.東京栄養サミット(N4G) :東京栄養宣言など

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437.東京栄養サミット(N4G) :東京栄養宣言など

12月7日、8日に、「東京栄養サミット2021」(N4G:Tokyo Nutrition for Growth Summit 2021)が開催されました。栄養サミットは、オリンピック・パラリンピック競技大会に合わせて開かれる、栄養問題への国際的取り組みを推進する機会です。日本政府はオリパラ開催国として、今回の東京栄養サミット2021を主催しました。

今回のサミットは、国内の参加者は人数を絞ったうえで対面、海外からは全面的にオンライン参加とするハイブリッド形式での開催となりました。1日目はハイレベルセッション、2日目はテーマ別のセッションです。その他にも、サイドイベントが数多く開催されました。国際農研がFAO駐日連絡事務所と共催で12月6日に開催した野菜・果物のシンポジウムも、政府主催サイドイベントの1つとして位置付けられています。

今回のサミットでは、[1]健康、[2]食、[3]強靱性、[4]説明責任、[5]財政の5つのテーマが取り上げられました。各国政府、国際機関、企業、市民団体などのリーダーが、健康・食・強靱性をテーマに世界の人々の栄養改善について幅広く議論し、今後の行動の方向性について共通認識を深めました。また、世界の栄養改善に向けて実効性のある目標を設定するため、多様な関係者が、自らが実践する内容を誓約(コミットメント)としてまとめて発表しました。

岸田首相は今後3年間で3000億円、28億ドル以上の栄養に関する支援を行うことや、アフリカに対して1000万回を目途としたワクチン供与を行う意向を表明しました。全体として、少なくとも66か国及び20企業を含む156のステークホルダーから331のコミットメントが提出され、約270億ドル以上の栄養関連の資金拠出が表明されています。

2日間の東京栄養サミットにおいて発表され議論された成果をとりまとめたものは、64か国の政府、11の国際機関、60社の民間企業、58の市民社会を含む、212のステークホルダーからのエンドースを得る形で、東京栄養宣言(グローバルな成長のための栄養に関する東京コンパクト)として発出されました。次回の栄養サミットは2024年にフランスで開催される予定です。

農林水産省はN4G成果文書の実施に向けて、アクションプラン「N4Gコンパクトの実施に向けた日本の食関係者の具体的行動計画」を発出し、重視する4つの点として(1)食料システムの変革 (2)食関連産業のイノベーションの推進 (3)個人の栄養に関する行動変容の促進 (4)途上国・新興国の栄養改善への支援 を挙げました。

なお、農林水産省主催のサイドイベントのうち、テーマ別セッションのセッション2:食を通じた栄養課題の持続的解決に向けて~「たべものはローカル、知恵はグローバルに」には国際農研の永利主任研究員が登壇し、キヌアを例として農業を通じたパートナーシップなどについて紹介しました。また、企業・団体プレゼンテーションには国際農研の白鳥主任研究員が登壇し、国際農研の取組について発表しました。

(参考文献)

(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)

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