フィリピンで天水稲作生産改善のための技術開発に関する共同研究を開始

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天水稲作の収量を増大かつ安定化させるため、JIRCASはフィリピン稲研究所(PhilRice)との共同研究により、季節的な天候予測モデルと作物モデルを組み合わせた天水稲作のための意思決定システムの開発と普及に取り組みます。

フィリピンは、国土面積や国内総人口が日本とほぼ同じ規模でありながら、一人当たりの年間コメ消費量は日本の2倍以上もあります。増え続ける人口を養うため、稲作生産の向上によるコメの自給達成が国の重要課題のひとつです。フィリピンでは、水の供給を雨水に依存した天水稲作が全稲作面積の約30%を占めていますが、その収量(1ha当たりのコメ生産量)は灌漑稲作の約半分にとどまっています。天水稲作の収量改善は、コメの国内生産を向上させるために重要です。しかし、近年の気候変動の影響により降雨量と降雨時期の年変動は大きく、そのため天水稲作の生産性は低く収量は極めて不安定です。

天水稲作の収量を増大かつ安定化させるため、JIRCASはフィリピン稲研究所(PhilRice)との共同研究により、季節的な天候予測モデルと作物モデルを組み合わせた天水稲作のための意思決定システムの開発と普及に取り組みます。共同研究の開始に当り、H29年5月10-11日にかけてPhilRice本部(ヌエバエシハ市)においてキックオフ会議を開催し、現地の参画研究者とプロジェクトの実施計画について話し合いました。また研究成果である意思決定システムが確実に農家にまで普及するよう、研究の初期段階からフィリピン側ステークホルダーとの調整・連携を進めていくこととしました。会議の最後に、JIRCAS資源・環境管理プログラムディレクターとPhilRice副所長による共同研究協定書への署名式が行われました。

PhiiRise副所長によるキックオフ会議開会の挨拶

共同研究協定書への署名式

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