研究成果情報 - モザンビーク

国際農林水産業研究センターにおける研究成果のうち、成果が特に顕著で、広く利用を図ることが望ましいと考えられる成果を要約してご紹介しています。

各年度の国際農林水産業研究成果情報

  • トウモロコシとダイズの混作が乾燥ストレス軽減と生産性向上に寄与する(2014)

    モザンビーク北部の天水畑作地域において、現地に普及するトウモロコシ品種(Matuba) 2畝とダイズ品種(Olima) 3畝を交互に配置する混作体系を導入することにより、各作物を単作とするよりも生産性が15~49%向上し、その導入効果は乾燥ストレス条件下、もしくはトウモロコシへの窒素施肥量が少ない施肥条件下においてより大きくなる。

  • ガリー侵食の発生域を衛星データの画像解析によって抽出する(2014)

    フィリピン・ルソン島北部カガヤン川沿いの丘陵地帯において、近年顕著になったガリー侵食の発生実態の把握のため、高空間分解能衛星データの画像解析によりガリー発生域を抽出する手法を開発する。衛星データの利用により、現地調査が行われない地域を含めた広域のガリー侵食の分布を迅速に把握する。

  • アフリカ稲作振興のための土壌肥沃度改善技術マニュアル(2014)

    サブサハラ・アフリカにおけるコメ生産の増大には、土壌肥沃度の改善が重要である。このマニュアルは、この地域の稲作に適用可能な在来資材を用いた土壌肥沃度改善技術を、ガーナの2地域を試験対象地として実証し、取りまとめたものである。

  • ラオスにおける多様な非木材林産物は農家経済にとって高い有益性を持つ(2014)

    ラオス中山間地域では森林から400種類を越える多種多様な非木材林産物が採集されている。その9割が自家消費であり、中でもキノコ類は周年的に採集されており、安定した食料となっている。また、ホウキグサなどの繊維部門の産品は地域住民の大きな現金収入源である。

  • 生態的特性に基づく小河川での小型コイ科魚類個体群の保全管理(2014)

    インドシナに広く分布する小型のコイ科魚類Rasbora rubrodorsalisは、ラオス中山間農村の重要な食料タンパク源である。本種は短命で、年に複数回世代交代しながら、周年繁殖している。こうした生態的特性に基づき、本種の個体群保全には、季節的な漁獲規制より、上流域の周年的禁漁区の設定が有効である。

  • 中国のトウモロコシ単収に与える投入財価格・量及び環境影響の要因分解(2014)

    中国のトウモロコシ単収変化に与える投入財価格・量及び環境条件の影響の大きさを、要因分解法と要素需要関数、作物応答モデルを用いて推計する。推計の結果、播種密度低下やカリウム肥料増加の、単収増加への寄与度が大きい。また、播種密度の低下には種子価格の上昇が、化学肥料投入量の増加には資本・家畜費上昇が大きく影響する。

  • タイ、ラオスの淡水魚発酵調味料の品質に影響する塩分濃度と発酵期間の重要性(2014)

    タイ、ラオスに共通する淡水魚発酵調味料の塩分濃度、pH、乳酸含量には地域性がある。製品中の主要乳酸菌種は、塩分が10%より高い製品では耐塩性乳酸菌、それより低い製品では乳酸桿菌となる。主に乳酸桿菌を含む製品で乳酸含量が高い傾向が見られる。うま味成分のグルタミン酸含量は発酵の経過に伴い増加する。

  • タイ、ラオスの淡水魚発酵調味料の品質に影響する塩分濃度と発酵期間の重要性(2014)

    タイ、ラオスに共通する淡水魚発酵調味料の塩分濃度、pH、乳酸含量には地域性がある。製品中の主要乳酸菌種は、塩分が10%より高い製品では耐塩性乳酸菌、それより低い製品では乳酸桿菌となる。主に乳酸桿菌を含む製品で乳酸含量が高い傾向が見られる。うま味成分のグルタミン酸含量は発酵の経過に伴い増加する。

  • インドネシアのオイルパーム開発プログラムが小規模農家に与えた影響(2014)

    インドネシアにおけるオイルパーム開発プログラムであるNESシステムは、施肥の改善と優良種苗の提供を通じて、小規模農家のオイルパーム果房収量を改善できる。

  • マレーシア半島地区における林業種苗配布区域の設定手法(2014)

    東南アジア熱帯雨林において林業用種苗の地域間移動に制限が設けられていない。そこで、マレー半島に分布する林業樹種の遺伝的変異のパターンを明らかにし、科学的根拠に基づいた地域間の遺伝的な違いを考慮した林業種苗配布区域を設定する手法を提示する。

  • オイルパームからプラスチック原料に有望なp-ヒドロキシ安息香酸を抽出する(2014)

    オイルパームから亜臨界水抽出によってプラスチック原料に有望なp-ヒドロキシ安息香酸等の低分子量フェノール性物質を抽出する最適条件と部位別の収率を示す。種子殻や葉柄はp-ヒドロキシ安息香酸の抽出原料として評価できる。

  • マレーシアにおけるハイガイ養殖の生産阻害要因(2014)

    近年マレーシア半島西岸のハイガイ漁場で顕在化している、稚貝発生量の減少および養殖過程での大量死の要因を把握する。稚貝発生量減少は、過度の有機物負荷に伴う還元的環境が貝の性成熟不良を招いたことが原因であると考えられる。一方、大量死は、大量出水に伴う環境変化が貝の摂餌不良・栄養吸収阻害を引き起こしたことによる衰弱が主因であると判断される。

  • ミャンマーの主要作物の生産・貿易情報(2014)

    地図及びグラフにより、ミャンマーの主要作物の生産及び貿易関係統計データを示す。作付面積や単収、貿易量・額などの基礎データと共に、これらを基に推計した土地利用率や単収変化の生産量変化への寄与率、自給率、輸出率などを網羅的に示す。

  • 小規模農家を対象とした植林CDM事業の実施手法の確立(2013)

    国連から炭素クレジット(CER)を取得したパラグアイの小規模農家向け植林クリーン開発メカニズム(CDM)事業の実施手法は、中南米での植林による炭素隔離事業に活用できる。

  • インド型イネ品種の籾収量を増加させる遺伝子、SPIKEの発見(2013)

    インドネシアの熱帯日本型在来品種に由来し、単離に成功した第4染色体上の遺伝子SPIKEは、インド型品種IR64やIRRI146の遺伝的背景で一穂籾数を増加させるばかりでなく、止葉幅、穂首の維管束数、玄米外観品質などの形態的改善を伴い、籾収量を増加させる。

  • メコンデルタ洪水常襲稲作地域におけるフルダイクの普及と水文環境への影響(2013)

    メコンデルタの洪水常襲稲作地域を対象に稲3期作化のためのフルダイク(輪中)の普及が水文環境に与える影響を分析したところ、フルダイク地区の周辺域で洪水の長期化や水位の上昇傾向が認められる。

  • メコンデルタ洪水常襲稲作地域におけるフルダイクの普及と水文環境への影響(2013)

    メコンデルタの洪水常襲稲作地域を対象に稲3期作化のためのフルダイク(輪中)の普及が水文環境に与える影響を分析したところ、フルダイク地区の周辺域で洪水の長期化や水位の上昇傾向が認められる。

  • カンボジアのイネいもち病菌レースは地域によってその出現頻度が異なる(2013)

    カンボジアのイネいもち病菌菌系は判別品種への反応から3つグル―プに分けられ、グループの出現頻度は、メコン川流域とトンレサップ湖周辺、さらにアンコールワットで知られるシェムリアップ県と他の地域では異なっている。

  • ミャンマーの在来イネ品種に由来する新規いもち病抵抗性遺伝子(2013)

    ミャンマー由来の在来イネ品種Haoruのいもち病抵抗性には、3つの抵抗性遺伝子が関与する。このうち二つは、標準判別いもち病菌菌系に対する抵抗性反応が既知のものとは異なり新規のものであり、第12染色体の遺伝子名はPi58(t)、第6染色体のものはPi59(t)である。

  • ラオス産小型魚類2種のDNAマーカーによる遺伝的多様性・集団構造評価(2013)

    ラオスの遠隔農村部で重要な食料資源となっている小型在来魚類Esomus metallicus(コイ科)とParambassis siamensis(タカサゴイシモチ科)のDNAマーカーが開発され、これにより、ビエンチャン市周辺及びナムグム川西岸における当該2種の遺伝的多様性を評価できる。さらに、集団構造解析による地域的特異性の評価を通じ、集団間の遺伝的交流実態を推量できる。