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1426. 極渦と寒波

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1426. 極渦と寒波


 このところ、日本も寒波に襲われ、記録的な積雪が観測された地域もありますが、米国でも大寒波の影響が報道されています。
極渦(polar vortex)は寒波が襲来するたびに話題になりますが、実際には冬の間中存在する大気現象だそうです。ウィスコンシン大学マディソン校の研究者による解説を紹介します。

 

極渦とジェット気流:違いは?
極渦とは、冬季に北極周辺の成層圏(地上約16~48キロメートル)で渦巻く低気圧の中心を指します。この渦の中には、極寒の北極の空気が存在します。渦内の空気が冷たいほど、渦の回転速度は速くなる傾向があります。
極ジェット気流は、地上約8~14キロメートル上空を西から東へ流れる風の流れです。極ジェット気流は通常、北極付近の北極の空気を北極圏に閉じ込める役割を果たしています。

 

渦が安定しているとき…
極渦が安定して強いとき、極ジェット気流も通常は強いままです。これにより、氷のような空気が北に閉じ込められ、影響が抑えられます。投げ縄を素早く回すようなイメージで、素早く回すとほぼ完全な円を描きますが、極渦が安定しているとき、強いジェット気流は北極圏の冷たい空気を閉じ込める障壁として機能します。

 

渦が不安定なとき…
しかし、大気上空の気温が急激に上昇し、極渦が弱まることがあります。これは成層圏突然昇温(sudden stratospheric warming)と呼ばれます。この現象が発生すると、渦は減速し、北極から遠ざかることが多く、2つに分裂することもあります。その結果、極ジェット気流も不安定になり、北極の空気が南下することもあります。投げ縄の例えで言えば、ロープをゆっくりと回すと波打つようになります。極渦が弱まると、ジェット気流も弱まり、極寒の空気がさらに南下するようになります。

 

2026年1月22日~25日の極寒の突風
1月22日から25日にかけて、猛烈な寒気がアメリカ中西部に押し寄せ、気温は7年ぶりの低水準にまで下がりました。1月19日と20日に小規模な気団が氷点下の気温をもたらしたのに続き、その週にこの地域を襲った2度目の寒気団は、カナダ最北端の島々から発生し、弱い極渦が極ジェット気流のバランスを崩し、極寒の空気が通常よりも南下しました。

 


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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