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1421. 国連公海等生物多様性協定の発効

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1421. 国連公海等生物多様性協定の発効

 

海洋の約3分の2は、いずれの国の管轄権も及ばない領域にあります。「公海」として知られるこれらの広大な海域は、地球の健全性にとって極めて重要です。公海は、世界の漁業と食料安全保障を支えるだけでなく、各国や企業がこれまで以上に探査・活用に意欲的に取り組んでいる貴重な天然資源の宝庫でもあります。一方、公海には、微小なプランクトンから巨大なシロナガスクジラまで、多様な海洋生物が生息しています。海洋遺伝物質は、医薬品、バイオテクノロジー、その他のイノベーションを支えるために、ますます求められています。

この公海という地球表面の約半分を覆う地球最大の公共の場を保護するための包括的な枠組みは、これまで存在せず、地域漁業協定、海運条約、そして公海の1%未満をカバーする散在する海洋保護区といった、寄せ集めの形で管理されてきました。このため、海洋生物多様性の保護と、開発途上国が国際水域における発見から利益を得られるよう確保する上で、重大な欠陥が生じてきました。

約20年をかけて議論されてきた国際水域および国際海底における海洋生物の保護と持続可能な利用に関する国際協定が2025年9月に批准され、このたび2026年1月17日に正式に発効しました。正式名称「海洋法に関する国際連合条約に基づくいずれの国の管轄にも属さない区域における海洋の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定(国連公海等生物多様性協定):the Biodiversity Beyond National Jurisdiction (BBNJ) Agreement」の発効は、規制上の空白を埋め、各国の取り組みを補完し、公海における協調的な保全措置を可能にし、今後数十年にわたる海洋生態系の健全性確保に向けた取り組みを推進することが期待されます。

  • 協定は、「公海」と国際海底が全人類の利益のために持続可能な形で管理されることを確保することを目的としています。
  • また、先住民族や地域社会の参加、そしてジェンダーバランスに関する規定を備え、包摂的な海洋ガバナンスを規定する、法的拘束力を持つ初の海洋協定でもあります。
  • 協定が完全に実施されれば、気候変動、生物多様性の喪失、そして汚染という、いわゆる「地球規模の三重の危機」への対処に重要な貢献を果たすことが期待されています。

 

協定は、国際的な気候変動・生物多様性目標の達成に不可欠です。1月15日現在、協定は83カ国によって批准されており、地域協力を導き、各国の持続可能な海洋計画とのシームレスな連携が期待されています。


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)
 

 

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