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1274. 世界の海洋で深刻化する危機への対応

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1274. 世界の海洋で深刻化する危機への対応
 

気候変動、プラスチック汚染、生態系の喪失、そして海洋資源の過剰利用により、海洋は前例のない危機に直面しています。6月9日から13日まで、世界の海洋で深刻化する危機に取り組むため、世界の指導者、科学者、活動家、そしてビジネス関係者がフランス・ニースに集まり、第3回国連海洋会議(the Third United Nations Ocean Conference : UNOC3)が開催されています。

全海洋生物の4分の1を支え、数十億ドル規模の観光業と漁業を支えているサンゴ礁が、私たちの目の前で消えつつあります。サンゴ礁の崩壊は、生物多様性、食料安全保障、そして気候変動へのレジリエンス(回復力)に連鎖的な影響を及ぼす可能性があります。海洋は温室効果ガス排出による余剰熱の90%以上を吸収し続けていますが、この世界的なサービスは限界に近づいているかもしれません。

1週間にわたり、参加者らは、違法漁業の撲滅、プラスチック汚染の削減、持続可能なブルーエコノミーの拡大といった重要な課題に取り組み、海洋の保全と持続可能な利用に向けた行動を加速するための政治宣言の採択を目指しています。2017年の第1回海洋サミット以来の2,000件を超える自主的なコミットメントに加え、数百もの新たな誓約が策定されると予想されています。

ニース海洋行動計画は、2030年までに海洋および陸上生態系の少なくとも30%を保護することを求める2022年昆明・モントリオール世界生物多様性枠組みと整合的なものになると期待されています。また、地球温暖化抑制の目標を定めた画期的なパリ協定から10年が経った今、UNOC3は、海洋を気候変動対策の最前線の場として位置づけることを目指しています。

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)


 

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