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544. 同時・連続的に起こる異常気象のインパクト

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544. 同時・連続的に起こる異常気象のインパクト

NASAの新たな研究によると、温暖化の進む世界では気候災害について、「降れば土砂降り:Troubles never come singly」という諺(ことわざ)が現実になりつつあります。Environmental Research Letters誌に掲載された研究によると、洪水や熱波が時間・空間的に同時に起こる確率が高まり、不作、森林火災やその他の災害をもたらす可能性を指摘しました。
 
過去の研究では、通常、ある地域において高温を記録する日数など、一つの気候指標の変化をモデル化するそうです。しかし、実際に大きな被害をもたらす異常気象は同時あるいは連続して起こることもあります。例えば、アメリカ西部の州は、熱波・干ばつの森林火災のあとに洪水・土砂崩れが重なり、甚大な災害をもたらすことが報告されています。

研究者によると、ここ5年くらいの間に、同時進行の気候危機をモデル化するフレームワークが急速に発展してきたということです。研究は、異常熱波が3日以上連続で起こる確率が100-300%増加し、続いて異常な大雨が起こる確率が多くの地域で2倍以上になると推計しました。とりわけ2100年までに、熱波・干ばつ・大雨の影響を合わせ、世界の主要トウモロコシ生産6地域中、少なくとも3地域において、気候関連の不作のリスクが倍増すると推計されました。とくにアメリカ中西部は複数の不作を経験するリスクの最も高い地域とされています。また、亜熱帯地域の多くで、年ごとに多雨・少雨大きく変動する可能性が20%高くなると予測されています。研究者は、我々が理解している以上に物事は相互連関しており、大災害を回避するにはこうした相互連関をしっかり理解する必要性を訴えました。

(参考文献)
Colin Raymond et al, Increasing spatiotemporal proximity of heat and precipitation extremes in a warming world quantified by a large model ensemble, Environmental Research Letters (2022). DOI: 10.1088/1748-9326/ac5712

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)