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509. 新年度における国際農研プロジェクトのアップデート

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509. 新年度における国際農研プロジェクトのアップデート

本日から令和4年新年度が始まります。国際農研は、令和3年度4月より、第五期中長期計画のもとで、地球規模の食料・環境問題の解決を目指すため、以下の重点業務を実施してきました。

(1)研究開発の効果的・集中的な実施
地球規模課題の解決に向け、気候変動の影響を軽減しつつ環境に調和した強靱で持続的なシステムの構築を目指す取組や深刻な食料・栄養問題の解決のための生産性・頑強性向上に資する技術開発を強化するとともに、国際情勢の変化に応じ、アジア及びアフリカ地域を中心に対象地域の重点化を図る。

(2)センター機能の強化
複雑化・多様化する開発途上地域・熱帯亜熱帯地域の農林水産業と地球規模の食料システムに係る課題や開発ニーズに関する情報を多角的に収集・分析し、地球環境や食料問題に関するオピニオンリーダーとして、国内外に広く情報を発信し、センター機能を強化する。

国際農研の強みは、一方で現地の農業研究・政策・開発機関との連携による現場ニーズに基づくボトムアップ型の課題把握・解決アプローチの提案、もう一方で国際農業研究・政策・開発パートナーとの連携を通じた地球規模課題解決に向けた情報発信、にあります。第五期中長期計画の2年目を開始するにあたり、従来の業務における国際農研の強みをさらに発揮するため、このたび、アフリカ及びアジアモンスーン地域を対象としたプロジェクトを一部再編・新たに開始することになりました。

まず、環境プログラムにおける、「砂漠化地域における極端気象下での持続的土地管理法の開発【持続的土地管理】」プロジェクトにおけるアフリカ課題、ならびに、食料プログラムの「アフリカ小規模畑作農業の生産性・収益性・持続性を向上させる畑作システム支援ツールの構築に向けた技術開発【アフリカ畑作支援】」プロジェクトを、一つのプロジェクトに統合しました。新たな「アフリカ小規模畑作システムの安定化に資する生産安定性・収益性・持続性を改善する土壌・栽培管理技術の開発【アフリカ畑作システム】」プロジェクトにおいては、国際農研および国内外のパートナーの経験・知見を結集し、湿潤サバンナ・乾燥サバンナ地域における持続的食料生産・土地管理の技術開発を通じ、持続可能な開発目標の実現に貢献する社会実装を目指していきます。

また、情報プログラムにおいて「みどりの食料システム基盤農業技術のアジアモンスーン地域応用促進事業【グリーンアジア】」を開始します。具体的には、農林水産省が令和3年5月に発表した「みどりの食料システム戦略」に資する国際連携の体制整備による情報発信や、ネットワークを活用した共同研究による基盤農業技術の応用促進を目指します。

不確実性が高まる国際社会情勢ですが、国際農研は、開発途上国の直面する国際農林水産業課題への取り組みを通じ、地球規模課題・持続可能な開発目標への貢献を目指していきます。


(文責:環境プログラム 林慶一、食料プログラム 中島一雄、情報プログラム 飯山みゆき)
 

 

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