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387. 本日は食料のロスと廃棄に関する啓発の国際デー

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387. 本日は食料のロスと廃棄に関する啓発の国際デー

9月29日は、国連の定める「食料のロスと廃棄に関する国際デー」です。 日本では、生産されたものの消費されなかった食料をまとめて食品ロスまたはフードロスと呼ぶのが通例となっていますが、世界的には、その食料がどの段階で失われたかによって、食品損失(food loss、小売に到達する前の段階で失われた食品)と食品廃棄(food waste、小売や消費者が廃棄した食品)との2種類に分けて考えます。

世界的にみると、生産された食料の約14%が損失、17%(家庭で11%、外食産業で5%、小売業で2%)が廃棄されています。廃棄だけでも年間で40トントラック2300万台分です。 食品損失と食品廃棄(以下あわせて食品ロス)は、グローバルフードシステムで利用される総エネルギー量の38%を占めます。この食料だけで20億人を養うことができると言われたりもします(ちなみに現在の飢餓人口はおよそ8億人です)。

食品ロスは、水、土地、エネルギー、労働力、資本など、この食料を生産するために使用されたすべての資源を無駄にしてしまいます。ごみ処理過程でも温室効果ガスを排出し、世界の温室効果ガス排出の8-10%は食品ロスに関連すると言われています。さらに、食品ロスは食料安全保障に悪影響を及ぼし、食品コストの増加につながる可能性もあります。

食品ロスはフードシステムの持続可能性を蝕みます。持続可能でなければ強靭性も望めません。食料を最大限に活用するためには、グローバルおよびローカルでの行動が必要です。技術革新(電子商取引プラットフォーム、モバイル食品加工システムなど)、品質管理を行い食品ロス削減に向けた新しい働き方とグッドプラクティスなどが、この変革を実現するために重要です。

持続可能な開発目標(SDGs)の目標12.3は食品ロスの削減です。廃棄を半減し、損失を削減する目標が掲げられています。達成期限まであと9年。食品ロス削減のための行動は待ったなしです。


参考文献

国際連合広報センター 国際デー https://www.unic.or.jp/activities/international_observances/days/  Accessed on Sep 27, 2021.

UN International Day of Awareness on Food Loss and Waste Reduction 20 September. https://www.un.org/en/observances/end-food-waste-day/ Accessed on Sep 27, 2021.

UNEP Food Waste Index Report 2021. https://www.unep.org/resources/report/unep-food-waste-index-report-2021, Accessed on Sep 27, 2021.

World Bank Q&A: Seeking Solutions to a $1.2 Trillion Problem: Food Loss and Waste. https://www.worldbank.org/en/news/feature/2020/10/16/qa-seeking-solutio…;

(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)

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