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868. 第4回食料のロスと廃棄に関する啓発の国際デー

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868. 第4回食料のロスと廃棄に関する啓発の国際デー

 

9月29日は、国連の定める「食料のロスと廃棄に関する啓発の国際デー(International Day of Awareness of Food Loss and Waste)」で、今年で4回目にあたります。日本では、生産されたものの消費されなかった食料をまとめて食品ロスと呼ぶことが多いのですが、世界的には、その食料がどの段階で失われたかによって、食品損失(food loss、小売に到達する前の段階で失われた食品)と食品廃棄(food waste、小売や消費者が廃棄した食品)との2種類に分けて考えます。本日の国際デーのように両方を指す場合にはfood loss and waste(食品損失・廃棄、以下食品ロス)と表記します。

農業・食料システムの変革において食品ロスの削減はなぜ重要なのでしょうか? 2022 年には 6 億 9,100 万人から 7 億 8,300 万人が飢餓に直面しました。 一方、世界の食料の13% が収穫後から小売までのサプライチェーンで失われ、 さらに 17% の食品が家庭、食品サービス、小売段階で廃棄されています。

食品ロスの削減は、食料の入手可能性を高め、食料安全保障、健康的な食生活、強靭性の構築に貢献することで、農産物システムの変革において重要な役割を果たすことができます。 食品ロス削減は、温室効果ガス(GHG)排出量を削減する重要な気候戦略としても機能します。 したがって、国や企業が気候変動への野心を高めると同時に、食料の未来がかかっている生態系や天然資源を保全し保護するのに役立ちます。

SDGsの目標12の中のターゲット12.3は、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品損失を減少させる」です。 2022年12月に採択された昆明・モントリオール世界生物多様性枠組(GBF)の目標16でも、「2030年までに世界の食品廃棄物を半減する」ことが求められています。

SDG 12.3目標とGBFが設定した食品廃棄物削減目標の達成に向けて食品ロス削減の行動を加速することが、農業・食料システム変革のペースにプラスの影響を与え、人々と地球にはっきりとした利益をもたらすために至急必要なのです。

 

(参考文献)
FAO. Technical Platform on the Measurement and Reduction of Food Loss and Waste.  https://www.fao.org/platform-food-loss-waste/flw-events/international-day-food-loss-and-waste/en  Accessed on Sep 28, 2023.

(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)
 

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