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61. 2020年 世界環境デー 生物多様性

6月5日は、環境保全に対する関心を高め啓発活動を行うことを目的に、国連により「世界環境デー」と制定されています。

食料、空気、水、そして我々が地球に住むことを可能にする快適な気候は、全て自然の産物です。例えば、海洋植物は大気中酸素の5割以上を生産し、成熟した木は二酸化炭素を吸収して酸素に変換することで空気を浄化します。これら便益にもかかわらず、我々は自然に十分敬意を払っていません。

今年の世界環境デーのテーマは生物多様性です。ブラジル・アメリカ・オーストラリアの山火事、東アフリカのバッタ被害、そして現在の世界的な感染症パンデミックをはじめとする一連の事象は、人間と生物多様性の相互依存関係を示しています。

生物多様性は陸上・水中の全ての生命を支える基盤を提供しています。生物多様性の変化や部分的欠損は、システム全体に負の影響をもたらします。森林破壊、野生動物生息地の侵食、農業拡張、気候変動の加速は、自然を限界まで追いつめています。毎年、人間による自然の恩恵への需要を満たすには、地球1.6個分が必要とされます。この傾向が続く限り、食料・保健システム崩壊をはじめとした人間社会の破綻をもたらしかねません。

実際にCOVID-19の発現は、生物多様性の破壊が人類の生活を支えるシステムの崩壊をもたらすことを明らかにしました。今日、コロナウイルスによって世界的に10億人の感染者と数百万人の死者が生じかねないとされています。新たに発現する感染症の75%が人獣共通感染症であるということは、自然からの警告であると言えます。

 

参考文献

United Nations. World Environment Day June 5 2020. Time for nature https://www.un.org/en/observances/environment-day

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)