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1541. 世界で深刻な食料不安に直面する人口が2億6,600万人に拡大:紛争と気候変動が食料危機を長期化

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1541. 世界で深刻な食料不安に直面する人口が2億6,600万人に拡大:紛争と気候変動が食料危機を長期化

 

FAO(国連食糧農業機関)およびWFP(国連世界食糧計画)などが参画する「Global Network Against Food Crises(GNAFC)」は、2026年版の「Global Report on Food Crises(GRFC)」を公表し、世界の食料危機が引き続き深刻な状況にあることを報告しました。

同報告書によれば、2025年には47か国・地域において約2億6,600万人が深刻な食料不安(IPCフェーズ3以上)に直面しました。これは対象人口の22.9%に相当し、2016年と比較してほぼ倍増しています。

食料危機の主要因は依然として紛争および治安の悪化であり、19か国・地域で約1億4,700万人に影響を及ぼしています。さらに、異常気象や自然災害は約8,750万人、経済的ショックは約2,980万人の食料安全保障に影響しており、複数の要因が重層的に作用している状況が示されています。

また、報告書は、ガザ地区およびスーダン一部地域において、2025年にIPCフェーズ5(飢饉)に分類される深刻な状況が確認されたと指摘しています。IPCの枠組みにおいて、同一年に複数地域で飢饉レベルの状況が報告されたのは極めて異例とされています。加えて、南スーダンやイエメンにおいても、引き続き飢饉リスクが高い状態にあると警告されています。

栄養面でも深刻な状況が続いています。報告書によると、2025年には食料危機の影響を受ける国々において、約3,550万人の5歳未満児が急性栄養不良に陥り、そのうち約970万人が重度の栄養不良と推定されています。また、妊娠および授乳中の女性でも約920万人が急性栄養不良の状態にあると報告されています。

さらに、食料・栄養分野に対する人道支援資金は2022年以降減少傾向にあり、2025年には2016~2017年頃の水準まで低下しました。その結果、支援対象の優先順位付けが進み、十分な支援を受けられない脆弱層の増加が懸念されています。

報告書は、2026年においても紛争、気候変動、経済不安が継続するとの見通しを示しています。特に中東情勢の悪化に伴うエネルギーおよび肥料市場への影響が、食料価格の上昇と食料安全保障リスクのさらなる拡大につながる可能性があると指摘しています。

以上のように、GRFC 2026は、現在の食料危機が一時的な現象ではなく、紛争、貧困、気候変動、政治的不安定などが複合的に絡み合う構造的課題であることを示しています。同報告書は、人道支援の継続的強化に加え、農業・食料システムのレジリエンス強化を含む中長期的な対応の必要性を強調しています。

 

(参考文献)
 FAO, WFP, GNAFC, (2026)Global Report on Food Crises 2026 – Joint Analysis for Better Decisions https://docs.wfp.org/api/documents/WFP-0000174714/download/


(文責:戦略統括室 飯山みゆき)

 

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