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1475. 東南アジア連絡拠点だより:タイの伝統発酵食
1475.発酵食のオンパレード
日本同様にタイでも古来より多様な発酵食品が作られてきました。地域に暮らす人々にとって大切な食料資源となっていて、発酵することで食品の保存期間を長くすることができるのと同時に、原料にはない味わいや食感を付け加えることもできます。発酵プロセスは、食料の保存技術の一つであると同時に高度な加工技術でもあると言えるでしょう。
ここにタイの代表的な発酵食品(や調味料)を紹介したいと思います。
タイの発酵食品・調味料
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日本語 |
タイ語 |
英表記 |
説明 |
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ナンプラー |
น้ำปลา |
Nam Pla |
魚醤 |
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カピ |
กะปิ |
Kapì |
発酵エビのペースト |
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プーケム |
ปูเค็ม |
Pu Khem |
発酵させた川蟹 |
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ネーム |
แหนม |
Nham |
発酵させた豚肉のソーセージ |
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トゥアナオ |
ถั่วเน่า |
Thua Nao |
大豆を発酵させ、せんべい状伸ばして乾燥させた、もしくはバナナの葉に包んだもの |
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カノムジーン |
ขนมจีน |
Khanom Jeen |
米を発酵させて作った麺 |
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カオマーク |
ข้าวหมาก |
Khao Mak |
デザートとして飲まれる甘酒 |
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サトー |
สาโท |
Sato |
米を原料とした醸造酒 |
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パッカードーン |
ผักกาดดอง |
Pak Kad Dong |
高菜の仲間(芥子菜の変種)の漬物 |
タイは古来より中国やインドをはじめ周辺の地域の文化を広く受け入れてきた国で、発酵食品もそれぞれの国の特徴が受け継がれています。これらの文化はもちろん日本にも広がっていて、日本で作られる発酵食品とも原料や作り方が共通しているものもたくさんあります。
発酵食品データベース
発酵食品の製造方法は昔の人々が経験と勘によって作り上げてきたもので、現代の科学でも分からないことがたくさんあります。伝統的な発酵食品を研究することにより、発酵に関わる微生物、おいしさや健康維持などに関係する成分などが明らかとなり、いままでに知られていない役に立つ発見につながる可能性が大いにあります。
国際農研では、2011年度から研究プロジェクトとして「アジア地域食料資源の高度利用」を5年間実施し、アジア各国の共同研究機関とともに、それぞれの地域に存在している在来の農・林・水・畜産物やその地域の伝統加工食品についての研究を行いました。また、共同研究機関をはじめとして各国のさまざまな分野の方々と地域食料資源のことを情報共有し、共同で研究開発を行うための「研究ネットワーク」を作り、研究成果としてまとめてきました。
この中で、タイの発酵食品データベースはタイのカセサート大学食品研究所がまとめたデータをもとにして、タイの様々な発酵食品を水産物、畜産物、果物、野菜、米、大豆など原料ごとに分類して、解説と写真、作り方を紹介しています。
今回から、このデータベースを参考にしてタイの食文化に含まれる様々な発酵食品を取り上げていきます。
参照:
国際農研:タイの伝統発酵食品データベース
https://www.jircas.go.jp/ja/database/thaifermented
(文責:東南アジア連絡拠点 金森紀仁)