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1417. 2025年、海洋熱量が記録を更新

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1417. 2025年、海洋熱量が記録を更新

 

海洋は、人類が排出する二酸化炭素などの温室効果ガスによって大気中に放出される過剰な熱の90%を吸収するため、地球の気候を調節する上で重要な役割を果たしています。こうした追加エネルギーはすべて、強力な連鎖反応を引き起こします。温暖化した海は大気中の水分量を増加させ、熱帯低気圧や破壊的な降雨をもたらします。海水温の上昇は海面上昇にも直接的に影響を及ぼし、長期にわたる海洋熱波によってサンゴは死滅します。

Advances in Atmospheric Sciences誌に発表された論文は、2025年、世界の海洋に蓄積された熱量は約23ゼタジュール増加、1950年代初頭に近代的な記録管理が始まって以来最高値となったと発表しました。

海洋の温暖化は均一ではなく、地域によって温暖化の速度が異なります。熱帯の海、南大西洋、地中海、インド洋北部、南極海は、2025年に記録的な量の熱量を吸収した海域に含まれていました。これは、2023~2024年に発生した強力な温暖化エルニーニョ現象から、一般的に一時的な海面冷却を伴うラニーニャ現象への移行によって2025年の平均海面水温がわずかに低下したにもかかわらず発生しました。なお、海面水温は過去3番目に高い値を維持していました。

長期的には、主に化石燃料の燃焼によって引き起こされる大気中の温室効果ガス濃度の持続的な増加により、海洋の温暖化速度は加速しています。地球温暖化に対処せず、大気中に閉じ込められた熱量が増加し続ける限り、海洋は記録を更新し続けるだろうと研究者らは述べています。

研究者らは、気候システムにおける最大の不確実性は、もはや物理学ではなく、人類の選択であるとし、急速な排出量削減は、将来の影響を抑制し、社会と生態系が繁栄できる気候を守るのに役立つと訴えました。

 

(参考文献)
Pan, Y., Cheng, L., Abraham, J. et al. Ocean Heat Content Sets Another Record in 2025. Adv. Atmos. Sci. (2026). https://doi.org/10.1007/s00376-026-5876-0


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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