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1133. 気候変動により、サヘル地域での洪水に伴う人道危機が悪化
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1133. 気候変動により、サヘル地域での洪水に伴う人道危機が悪化
2024年7月から9月までの雨季、サヘル地域の大部分は非常に激しい降雨に見舞われ、8月にはスーダンで、9月にはナイジェリア・ニジェール・チャド・カメルーンで壊滅的な洪水が発生しました。この深刻な洪水は、非常に脆弱な地域を襲い、スーダンの複雑な人道危機を大幅に深化させ、援助組織や政府機関の対応能力を圧迫しています。
10月23日、極端現象と気候変動の因果関係を分析するWorld Weather Attributionは、調査地域全体で1981年以降降雨強度が約18%増加したとし、今後温暖化の下でより極端な降水イベントに備える必要性を強調しました。
この地域で現在進行中の紛争は、貧困・急速な都市化・インフラ老朽化といった既存の問題に加え、脆弱性リスクを倍増させています。特に、紛争により何百万人もの人々が仮設の避難所で生活しており、極端な降雨による洪水リスクにさらされています。
サハラ以南のアフリカの越境河川は、近隣諸国間の調整を必要とし、包括的な洪水管理と早期警報システムの運営を妨げています。国境を越えたデータ共有を改善し、警告情報やリスク情報へのアクセスを拡大することにより、早期警戒システムを強化することが、人命の損失を減らすために不可欠です。
(文責:情報プログラム 飯山みゆき)