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85. Nature Communications & National Geographic: 地域的な熱波現象の悪化

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2020年7月3日、Nature Communications誌にて、「地域レベルでの熱波現象の増加傾向Increasing trends in regional heatwaves」論文が公表されました。熱波は、極端な気温事象の典型例として、過剰な暑さの継続期間として定義されます。熱波の負の影響は、人類の健康、農業、労働生産性、山火事の頻度と強度、公的インフラ、へと多岐に及びます。熱波の影響は不均衡であり、とりわけ適応能力がなく様々な制約を抱える途上国において甚大なインパクトを及ぼします。これらのインパクトは、地球温暖化のもとで増強することが予測されています。著者らは、1950年以来、ほとんどすべての地域において、熱波の頻度が急激に変化していることを示しました。

また、2020年7月6日、National Geographic 誌では、「シベリアのツンドラを溶かしていた熱波、今や火事にA heat wave thawed Siberia's tundra. Now, it's on fire. 」との記事が公表されました。ここ数か月、シベリアでは極度の熱波が観察されています。6月に北極で華氏100°(摂氏38℃)をもたらしただけでなく、この熱波は永久凍土を支えるツンドラの火事を含む、山火事のアウトブレークをもたらしています。通常は氷で覆われ、湿潤で凍ったランドスケープが燃えているという事実に、エコロジストや気候科学者らは、北極が地域・グローバル双方のレベルで雪崩的な現象をもたらしかねない状況に直面していることを懸念しています。地中深く数百年にわたって蓄積されてきた有機物を溶かし燃やすことで炭素が大気中に排出されれば、炎そのものが地球温暖化を悪化させかねません。

 

参考文献

Perkins-Kirkpatrick, S.E., Lewis, S.C. Increasing trends in regional heatwaves. Nat Commun 11, 3357 (2020). https://doi.org/10.1038/s41467-020-16970-7

A heat wave thawed Siberia's tundra. Now, it's on fire. BY MADELEINE STONE, July 6, 2020 https://www.nationalgeographic.com/science/2020/07/heat-wave-thawed-sib…

 

(文責:研究戦略室 飯山みゆき)