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1127. CO2濃度がわずか20年間で11.4%増加

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1127. CO2濃度はわずか20年間で11.4%増加

 

10月28日、世界気象機関(WMO)は、「温室効果ガス年報(Greenhouse Gas Bulletin)」を発表、地球温暖化への影響の大きい長寿命温室効果ガス (CO2, CH4, N2O)について、2023年の観測値および最新分析を示しました。
 

2022年から2023年にかけて、全球表面大気中の年間平均CO2は2.3ppm増加しました。CO2は、人類史上最速ペースで大気中に蓄積されており、現在の大気中のCO2濃度は産業革命前(1750年以前)の水準をすでに51%上回っています。

2023年、大気中のCO2濃度増加は、過去10年間で2番目に大きな年成長率となりました。これは、火災排出量の増加と陸域の正味炭素吸収源の減少の結果である可能性があります。化石燃料の燃焼によって引き起こされる長期的なCO2の増加は単調ですが、CO2の成長率は年ごとに異なり、その変動性は主に陸域の生物圏のCO2交換によって引き起こされます。

2023年は例外的に暖かい年で、陸域および海域の気温は、1850年までさかのぼる記録の中で最も高い値でした。極端な暑さは、陸域システムにとってストレス要因であり、植物による炭素吸収の減速を引き起こす可能性があります。

以下、年報の要点となります。

  • CO2濃度はわずか20年間で11.4%増加しました
  • 大気中においてCO2が長くとどまることから、将来の気温上昇を固定化します
  • エルニーニョと森林火災が2023年後半のCO2急増に寄与しました
  • 炭素吸収源としての森林の有効性に期待し続けることはできません
  • 炭素‐気候フィードバックについて、理解を深める必要があります

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

 

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