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1010. 2024年食料危機グローバル報告書

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1010. 2024年食料危機グローバル報告書


2024年食料危機グローバル報告書(The 2024 Global Report on Food Crises: GRFC 2024) が発表され、2030年までの飢餓撲滅目標達成に大きな課題が立ちはだかっていると訴えました。

報告書によると、2023年、分析対象となった59か国・領域における21.5%の人口に相当する2億8200万人の人々が急性の食料安全保障危機に直面し、緊急食糧支援を必要としました。2022年の報告から飢餓人口が2400万人増加していますが、この原因として、分析対象が増えた(58か国➡59か国)こと、もう一方で一部地域での食料安全保障が急激に悪化したこと、が指摘されました。最も食料危機が深刻化したのはパレスチナ(ガザ地区)とスーダンで、極めて深刻な食料危機に直面する人口は70万人(うち60万人がガザ地区)と、2022年から倍増しました。

報告書は、食料危機の背景に、一度のショックや災害にとどまらず、貧困や社会の構造的な脆弱性を決定づける複数の要因が折り重なっているケースが多いことを指摘します。それでも国・領域ごとに緊急の食料危機をもたらした直接的な原因の特定は可能であり、59か国・領域中、1億3450万人(20か国・領域)では紛争が、7250万人(21か国・領域)では経済ショックが、そして7190万人(18か国・領域)では異常気象が、食料危機の最大原因と分析されました。

 

(参考文献)
FSIN and Global Network Against Food Crises. 2024. GRFC 2024. Rome. https://www.fsinplatform.org/grfc2024

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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