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906. アフリカ農業の多様性を尊重したアプローチの重要性: TICAD30周年記念公式サイドイベントにて紹介

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906. アフリカ農業の多様性を尊重したアプローチの重要性:
TICAD30周年記念公式サイドイベントにて紹介

 

12月1日、国際農研はハイブリッドでTICAD30周年記念公式サイドイベント「アフリカの持続的で強靭な食料システム構築に向けて」を開催します。本イベントでは、アフリカの農業生産・食料消費にわたる多様性にハイライトをあて、多様性を尊重した適切なアプローチを紹介します。

アフリカ農業の多様性の背景について、少し古い資料ですが、2011年のレポート(Sub-Saharan Africa: The state of smallholders in agriculture)の記述を紹介します。 

 

サブサハラアフリカを説明する上で、最上級や対比に関する形容詞が欠かせません。途上国地域で最も大きな土地面積を誇ると同時に、最小面積の国々を抱えています。地質的に最も古い大陸は、若い人口にあふれています。高付加価値な鉱物資源の鉱脈に最も恵まれる一方、劣化した土壌も集中しています。農業部門の成長が著しい一方で、食料輸入への依存も最高水準です。農村貧困層の割合が最も高いと同時に、小規模農家を中心に据えた貧困削減策の潜在性を秘めています。

とくに陸地面積は2400万平方キロメートルと、途上国地域では断トツに大きく、マリ北部の乾燥地域からコンゴ盆地の熱帯雨林と多様な農業生態系をカバーしています。鉱物資源に恵まれ、他の大陸と比べても地質的には極めて安定しており、ダイヤモンド・コバルト・金といった戦略的希少資源の鉱脈が集中しています。この地質的な安定性は、低肥沃度土壌の高い集中度と表裏一体です。火山活動が不在の中、長年における風化・浸食・浸出が、極めて貧しい土壌養分条件を規定しています。さらに土壌タイプも極めて多様であり、作物への養分供給能力、保水・排水能力、浸食や圧縮への耐性、したがって作物の成長を決定する作物根の土壌への貫入を可能にする条件も地域によって極めて異なります。

 

気候変動のリスクが増大する中、アフリカで増加が予測されている人口に栄養ある食を提供していくには、作物生産のための多様な生態学的・土壌条件を理解した上で、その制約要因を克服し、強靭で生産性の高い食料システムを構築していく必要があります。そのためには、作物、水資源、土壌、微生物、農業経営、栄養供給、といった異分野連携を通じた科学的アプローチが必要です。

 

本イベントでは、国際農研のアフリカ農業システムに関するプロジェクトから、異分野連携のアプローチを紹介します。

TICAD30周年記念公式サイドイベント
「アフリカの持続的で強靭な食料システム構築に向けて」
特設サイト:

日本語: https://www.jircas.go.jp/ja/event/2023/e20231201
英語: https://www.jircas.go.jp/en/event/2023/e20231201

開催日:2023年12月1日(金) 14:00~16:00
場所:ハイブリッド(つくばco-enイベントスペースおよびオンライン)
  (305-0031 茨城県つくば市吾妻1-10-1 つくばセンタービル1F)
     アクセス:https://co-en.space/access/

お問い合わせ先:国際農研 情報広報室
電話: 029-838-6727
e-mail: event-jircas@ml.affrc.go.jp

 

(文責:TICAD30周年記念公式サイドイベント実行委員会)

 

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