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892. 2023年10月 世界食料価格動向  

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892. 2023年10月 世界食料価格動向

国連食糧農業機関(FAO)は、11月3日、世界食料価格動向を公表しました。2023年10月の値は平均120.6ポイントで、前月より0.7ポイント(0.5%)低く、前年比で14.8ポイント(10.9%)低い値をとりました。10月の価格指標の微減は、砂糖・穀物・植物油と食肉価格の下げを反映しました。

穀物価格指標は10月に125.0ポイントと、前月比で1.0%下落、前年比で17.9%下低い水準でした。10月、北米での予想より多い供給と輸出国間の競争を受け、小麦価格は1.9%下落しました。アルゼンチンでのメイズ供給逼迫は価格上昇圧力となりましたが、やはり北米からの供給とブラジルからの生産との競争が価格上昇の過熱を抑制しました。一方、コメ価格は受け身の国際輸入需要を反映し、前月比で2.0%下落しました。 

植物油価格指標は前月比で0.7%減と3カ月連続の下落、前年比で20.7%低い水準となりました。今回の微減は、季節的な供給増と国際的な需要低迷を受けたパーム油の低価格が、ダイズ・ヒマワリ・ナタネ油価格の上昇を相殺したことを反映しました。対照的に、アメリカなどにおけるバイオディーゼル部門の堅調な需要を受けて、ダイズ油は二カ月ぶりに上昇しました。

10月、砂糖価格指標は159.2ポイントと、ブラジルにおける降雨のダメージにもかかわらず堅調な生産に支えられ、前月比で2.2%減と、2カ月ぶりの下落となりました。しかし国際砂糖価格は昨年比で46.6%高い水準です。ブラジ通貨レアルの対ドル下落と国内エタノール価格の低さも影響しました。しかし2023・24年の世界的な供給不足への懸念とブラジルのロジスティクス制約による輸送の遅れが、砂糖価格の下落に歯止めをかけています。

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)


 

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