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779. 子どもの動物性食品摂取量(年齢層別・世界/地域/国別)

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779. 子どもの動物性食品摂取量(年齢層別・世界/地域/国別)

動物性食品(animal-source food:ASF)に関し、本日はMiller et al. (2023)の論文をご紹介します。

動物性食品は、子どもや若者の身体的および認知的発達に欠かせない栄養素を提供します。子どもたちは成長のために特に栄養が必要ですが、胃が小さく、反栄養素(注:栄養素の吸収を妨げる物質)への感受性も高いため、栄養不足になりがちです。幼少期の不適切な食事は、幼少期の栄養不良だけでなく、発達にも影響を及ぼすことで大人になってからも健康や経済に悪影響が出る可能性があります。

本論文では、グローバル食事データベース(Global Dietary Database)と階層ベイズモデルのデータを使用して、1990 年から 2018 年までの、世界の子どもの人口の 93% に相当する 185か国で世界、地域、国ごとの動物性食品の摂取量を年齢層別に推定しました。

動物性食品の平均摂取量は 1 日あたり 1.9食分(serving)で、南アジアでは1食分未満、中央・東ヨーロッパおよび中央アジアでは4食分以上と地域差がありました。16% の子供は少なくとも 1 日あたり3 食分を摂取していました。摂取量は男の子と女の子では似たようなものでしたが、教育を受けた両親を持つ都市部の子どもたちの方が多くなりました。平均動物性食品総摂取量は年齢が若いほど少なく、1 歳未満の 1 日あたり 0.6 食分から 15 ~ 19 歳の 1 日あたり 2.5 食分までと、年齢によって異なりました。摂取する動物性食品の種類もさまざまでした。

1990年から2018年にかけて、動物性食品の平均摂取量は週あたり0.5食分増加しました。地域で見るとサブサハラアフリカを除くすべての地域で増加しました。2018年、動物性食品の総摂取量はロシア、ブラジル、メキシコ、トルコで最も多く、最も少ないのはウガンダ、インド、ケニア、バングラデシュでした。
このように、地域・国・年齢層・親の教育レベル・都市性・摂取する動物性食品の種類などによってかなりのばらつきがみられました。

 

(参考文献)

Miller, V., Webb, P., Cudhea, F. et al. Children’s and adolescents’ rising animal-source food intakes in 1990–2018 were impacted by age, region, parental education and urbanicity. Nat Food 4, 305–319 (2023). https://doi.org/10.1038/s43016-023-00731-y

 

(文責:情報広報室 白鳥佐紀子)


 

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