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635. 2022年9月 世界食料価格動向

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635. 2022年9月 世界食料価格動向

国連食糧農業機関(FAO)は、10月7日、世界食料価格動向を公表しました。2022年9月の値は平均136.3ポイントで8月よりも1.1%低く、史上最高値を記録した3月から6か月連続で下落しました。9月の下落は、植物油の国際価格の大幅な下落、また砂糖・肉・乳製品価格の緩やかな下落が、穀物価格指標の上昇反転を相殺した結果を反映しています。ただし、価格指標は1年前の水準からは7.2ポイント(5.5%)高水準にとどまりました。 

穀物価格は9月に147.8ポイントの値をつけ、これは8月よりも2.2ポイント(1.5%)高く、昨年9月よりも14.9ポイント(11.2%)高くなっています。国際小麦価格は、11月以降の黒海イニシアチブが継続されるかどうか、よってウクライナからの輸出へのインパクトへの不確実性により、9月に2.2%上昇に転じました。さらにアルゼンチンやアメリカにおける干ばつ状況への懸念やメイズ供給の逼迫に対しEU域内の高い小麦需要を反映しました。コメ価格指標は9月に2.2%上昇、インドの輸出政策変更に対応してバイヤーが他の供給先を探さねばならない懸念を生み出し、インディカ米の価格上昇が先行しました。また、パキスタンにおける販売網の寸断と生産に関する不確実性が価格上昇に貢献しました。一方で需要は低調で、コメ価格上昇の抑制に働きました。

植物油価格は、6.6%下落し、152.6ポイントと、2021年2月来の低い水準になってきました。この背景には、需要の落ち込みと主要国からの十分な輸出の見込みを引き続き反映したパーム油・ヒマワリ油等の国際価格の下落があります。原油価格の下落も、世界の植物油価格への下方圧力に貢献しました。

 


明日10月13日、国際農研の主催で、イベント「科学とイノベーションによるアジアモンスーン地域の持続可能な食料システムの構築」がオンライン開催されます。申し込みは本日17時までです。是非ご参加をご検討ください。


FAO科学イノベーションフォーラム2022サイドイベント
「科学とイノベーションによるアジアモンスーン地域の持続可能な食料システムの構築」
日時:10月13日(木)18:00~19:30
開催方法:オンライン
概要&申込:https://www.jircas.go.jp/ja/event/2022/e20221013
締切:10月12日(水) 17:00


(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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