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515. 世界食料価格動向-FAO価格指標は史上最高値を記録

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515. 世界食料価格動向-FAO価格指標は史上最高値を記録

国連食糧農業機関(FAO)は、4月8日、世界食料価格動向を公表、2022年3月、不安定な国際社会情勢を受け、食料価格指標が史上最高値を記録したと報告しました。

FAOの食料価格指標*は、2022年3月、前月から17.9ポイント(12.6%)上昇し、平均で159.3ポイントをつけ、1990年以来、最高値を更新しました。この高騰は、とりわけ植物油、穀物、肉の価格指標が最高値を記録したことを反映しています。

FAOの穀物価格指標は170.1ポイントと、前月に比べ 24.9(17.1%)上昇し、1990年来の最高値を付けました。今月の上昇は、ウクライナやロシアにおける輸出の攪乱を受けた小麦や粒の粗い穀物全般(coarse grains-トウモロコシ、オオムギ、ソルガムなど)の世界価格の上昇を反映しています。対照的に、FAOのコメ価格指標は2月から殆ど変動せず、年初よりも10%低い値となりました。

FAOの植物油価格指標は3月に平均248.6ポイントと、前月より46.9ポイント(23.2%)上昇、記録を更新しました。ヒマワリ、パーム、大豆、菜種、と全ての価格指標が上昇しており、とくに国際ヒマワリ油価格は黒海地域での戦争による輸出削減のあおりを受けました。ヒマワリ油の供給寸断に関する懸念を反映し、パーム・ダイズ・菜種の価格も上昇しました。

食料システムを通じて世界が密接に結びつく今日において、食料栄養安全保障の維持には、世界平和の維持への努力が不可欠であることを思い知らされる今日です。

 

* FAOによると、食肉指標に使用される価格統計の幾つかは入手できず、今回の公表値は予測値と観測値の双方をもととした推計値が用いられました。FAOは、今後、食肉価格指標の改定によっては全体の価格指標の値にも影響を及ぼすことに留意すべきとしています。

 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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