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505. 世界の発酵食をフィールドワークする

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505. 世界の発酵食をフィールドワークする

国際農研では、タイの発酵米麺、ラオスの淡水魚発酵調味料など、地域の農水産物を有効利用し人々の暮らしに役立つ伝統発酵食品に着目し、それらの品質や保存性を高める技術の開発と普及を行っています。このような取り組みでは、伝統的な製法を現地の生産者から直接教わり、実際に作ってみることや、その発酵食品を一緒に味わって話を聞くことからも研究のヒントを得て、発酵の仕組みや、成分、微生物に関する科学的な理解を深めていきます。

この度、農山漁村文化協会から発刊された書籍「世界の発酵食をフィールドワークする」(横山 智 編著)では、ラオスの淡水魚発酵調味料にまつわる在来知を科学知と接合させた価値の再発見と品質向上の取り組みを含め、世界各地で作られる発酵食をテーマに、人文科学系と自然科学系の研究者がフィールドワークを実践し、発酵食をつくり利用する人間の営み、地域の食文化における発酵食の位置づけ、発酵食と社会との関係を明らかにしています。2022年3月22日(火)から9月24日(土)までは、同名の特別展が名古屋大学博物館で開催され(http://www.num.nagoya-u.ac.jp/exhibitions/special/#000534)、特別展関連講演会(全7回:対面・オンライン同時開催予定)も企画されています。

 

参考文献
横山 智(編)(2022)世界の発酵食をフィールドワークする 農山漁村文化協会

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令和2年度国際農林水産業研究情報 ラオス淡⽔⿂発酵調味料のヒスタミン⽣成は仕込み時の塩分調整で抑制できる https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2020_c04

令和元年度国際農林水産業研究成果情報 タイ発酵型⽶麺の液状化は、麺をpH 4程度の酸性に保つことで抑制できる https://www.jircas.go.jp/ja/publication/research_results/2019_c01

 

(文責:生物資源・利用領域、丸井淳一朗)

 

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