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491. 肥満と食料システム

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491. 肥満と食料システム

先日の3月4日は「世界肥満デー」でした。

過体重と肥満は、過剰な脂肪の蓄積により健康へのリスクを抱えている状態を意味し、体重と身長の関係から求められるボディマス指数(BMI)が25を超えると過体重、30を超えると肥満、と見なされます。2017年時点で、毎年400万人を超える人々が過体重あるいは肥満を原因として亡くなっていると推計されています。

1975年から2016年にかけ、5-19歳の子供・青年層の過体重・肥満の割合は世界的に4%から18%へと4倍に増加しています。肥満は、栄養失調の二重負荷の一つの側面であるとされ、サブサハラ・アフリカとアジアを除く全地域において、肥満人口が過小体重人口を上回っています。かつては高所得国だけに見られた問題でしたが、近年では低・中所得国でも、とりわけ都市部で増加傾向にあります。過体重・肥満の子供の殆どが途上国に集中し、その増加率は先進国よりも30%以上高いとされています。

過体重・肥満の原因となる食生活をめぐる食料システムは、農業多様性に欠き、生物多様性の喪失の最大の原因とされ、また人為的な温室効果ガス排出の3分の1に相当する排出を通じて気候変動にも関わっています。地球の持続性のキャパシティに照らし合わせ、2050年までに100億人に迫るとされる世界人口を支えていく上で、消費・流通・生産とそれらを繋ぐ食生活にわたり、食料システムの在り方を抜本的に見直す必要性があります。 

(文責:情報プログラム 飯山みゆき)

 

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